残留農薬は動物性食材にも=検査サンプルの58%から

ホットドッグ用のソーセージも残留農薬が検出された食材の一つ(Pixabay)
ホットドッグ用のソーセージも残留農薬が検出された食材の一つ(Pixabay)

 消費者保護協会(Idec)が行った調査で動物性食材からも農薬が検出されたという記事を読み、唖然とした。残留農薬という言葉は野菜や果物の世界のものと勝手に思い込んでいた事に気付かされると共に、自分達には手に負えないところにまでその影響が広がっている事を痛感したからだ。
 調査結果は7月末に報じられ、食肉加工品や乳製品のような動物性食材のサンプル24件中、58%にあたる14件から残留農薬が認められたという。
 Idecはポークソーセージ、ソーセージ、ビーフハンバーグなどの食肉加工品とヨーグルト、乳飲料の8グループを分析。その結果、食肉加工品の全てと、3メーカー中二つのメーカーのクリームチーズから農薬が検出されたという。検出された農薬の一つは、使用量が国内一の除草剤のグリホサートだという。
 Idecは、残留農薬が含まれていた製品に関する責任を負う企業全てに残留農薬が検出されたと伝えると共に、農務省と国家衛生監督庁(Anvisa)にも通達した。
 ただ、Anvisaには生鮮食品に含まれる残留農薬に関する安全基準があるが、加工食品に含まれる農薬に関する基準はなく、検出された残留農薬が健康被害をもたらすレベルか否かは判断できていないという。
 ブラジルでは欧米で禁止されている農薬も使われている事や、グリホサートを使っている地域での病気の発生率が高い事は以前から聞いていた。だが、食物連鎖で農薬が貯まり得る動物の肉や乳の加工品に農薬が含まれる事は考えもしなかった無頓着さに頭を叩きのめされた気がした。どの食品にどの位の農薬が残っているかも知らずに子供達にも与えていた事にも愕然とする。
 目に見えるもので判断するのは比較的容易だが、目に見えない物を基準に何かを判断するのは難しい。安全基準さえなく、実態がわからなくては対策不能だが、色々な意味で注意を要する事は多い。
 怒りは体内で毒になる物質を生じさせるが、笑いがあると毒の発生量が減るという。心を平静に保ち、ストレス軽減で体を守る事もできるなら、楽しい食事や笑いのある生活が加工食品の残留農薬の影響も減らしてくれると信じたい。(み)

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