「人生最後の訪日、どうすれば?」=日本入国が6月から緩和=隔離期間なし、交通機関利用可

厚生労働省・検疫所の広報書類の一部
厚生労働省・検疫所の広報書類の一部

 コロナ禍がひと段落し、ブラジルから日本への入国規制が1日、大幅に緩和された。これを受け、日系高齢読者から「コロナ禍でずっと日本へ行けなかったので、これを機に日本の郷里に墓参りへ行きたい。もしかしたらこれが最後になるかも。でも、規制緩和後の制限がよくわからず不安で、決心がつかないんです」との痛切な声が続々と編集部に届いている。編集部では3日、在サンパウロ総領事館に現在の入国条件などについて問い合わせを行った。
 今回、ブラジルは日本の国別入国規制区分で「青」に区分された。
 これにより、出発直前(72時間以内)のブラジル内でのPCR検査と質問票提出は必要だが、日本到着時にPCR検査をする必要がなくなった。日本の空港でワクチン証明書の提示を求められることも基本的にはないという。ワクチン証明書については、日本国内のレストランやホテルなどで求められる場合があるので携帯した方が良い。
 到着後の隔離期間もいらなくなり、すぐに公共交通機関を使っても問題なくなった。
 これらの条件は日本国籍者、ブラジル国籍者、ワクチン未接種者の区別なく適用される。
 ビザ申請については、ビザが必要な2世は「親族訪問」を事由として査証取得が可能。3世の場合は日本側の招へい者による防疫処置の順守の誓約が必要となる。
 10日からは、日本で登録されている旅行代理店による団体の観光旅行が可能になる。ここでは「日本の旅行代理店」のみに許可が出されているので、注意が必要だ。
 団体旅行に人数制限はなく、何人でも可能。現在、観光ビザの全面規制解除が行われておらず、日系4世以降、もしくは非日系ブラジル人が日本に観光旅行に行く場合は、この団体旅行を利用して行く必要がある。
 厚生労働省サイト「日本へ入国・帰国する皆様へ」(https://www.hco.mhlw.go.jp/)では、具体的な入国前及び入国後の流れを確認することができるので、まずはサイトでの事前確認が推奨される。ブラジル在住者なら「滞在国のエリア」選択から「中南米」を選択し、「滞在国」選択から「ブラジル:サンパウロ州」を選べば、入国に必要な手続きが表示される。
 また、厚生労働省は、海外から日本へ入国する人に対して、空港検疫で実施している手続きの一部を、入国者健康居所確認アプリ「MySOS」を通じて、日本入国前に済ませられる「ファストトラック」の活用を呼び掛けている。
 「MySOS」は、アプリをスマートフォンにインストール(https://mysosp.page.link/sfY2kRrviv4t4eFy7)して使用する。必要事項を記入登録すれば、その登録内容の審査が終わり次第、アプリ画面が赤色から青色か緑色に変わる。入管でそれを見せればスムーズに入国できる。
 以前よりはだいぶ訪日しやすくなったため、パンデミックの間に控えていた人たちの訪日ラッシュが始まる可能性がありそうだ。
 なお、今後ブラジルの感染状況が再び悪化した場合、規制区分が「黄」または「赤」に振り分けられる可能性がある。

□サビアの独り言□

 昨年訪日したある戦後移民の話では、せっかくの機会なので同窓会に参加しようとしたら、同窓生の息子が「ブラジルから来る人が参加する同窓会に参加するなんて危ない」と反対し、友人と会えなかったとか。また別の人は、日本の実家に帰ったところ、近所のスーパーの店主から親に「ブラジルから帰ってきている息子さんには、ご来店は遠慮してほしい」と電話があったとか。日本の人によるこの種の何の根拠もない「ブラジル風評被害」は、まだまだあるかも。もうしばらく、ほとぼりを冷ましてから訪日するのも手か。

 

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