《ブラジル》コロナ禍=入院者や死者が増加傾向=オミクロン株の新亜種も確認

サンパウロ州の入院者や死者が増えていると報じる4月28日付igサイトの記事の一部

 保健省が緊急事態宣言の解除を行ったり、マスク着用義務などの規制緩和が進められる中、サンパウロ州など一部では新型コロナの入院者や死者が増加傾向にあると4月28日付現地サイトなどが報じている。
 4月28日付現地サイトは、4月17~23日のサンパウロ州での入院者や死者が6%と8・6%増えたと報じた。ジェアン・ゴリンシュテイン州保健局長は当時、「ここ10週間で初の増加」である事を認めたが、急性重症気管支症候群による入院者は増えている中でも、新型コロナ感染者の数は減少していた。
 だが、4月24~30日(感染学上第17週)の同州の死者223人は前週比で45・8%、前々週比では58・2%増えた。同週の感染者2万6489人は前々週比で13・1%減だが、前週比では4・8%増で、カーニバルの人出などの影響が出るここ数週間の推移が注目される。
 感染学上第17週は全国でも、感染者が前週比で7・3%、死者が同32・0%増えた。死者は前々週比でも23・5%増で、明らかに増えている。感染者が前週比で増えた州は16、前々週比で感染者増を見た州も10ある。死者増加州は前週比でも前々週比でも12だが、感染者と死者が共に増えた州は前々週比が4、前週比では9で、懸念される状態にある。
 なお、死者の7日間平均は、4月22日の93人以降増え続け、4月30日には127人に達した。1日は7州の数字が更新されておらず、死者の平均は124人に微減したが、感染者の平均は4月15日以降初の1万5千人超えとなった。
 なお、感染力がより強いオミクロン株の亜種がブラジル国内でも見つかる中でも感染者や死者の増加がこの程度で済んでいるのは、ワクチン接種が進展しているおかげだ。
 南アフリカでの研究では、オミクロン株(BA1)に感染しただけの人は、その亜種のBA4やBA5に再感染する可能性が大だが、ワクチン接種を行っている人は感染や重症化のリスクが小さい事が判明。サンパウロ市の3歳児から検出されたというオミクロン株亜種がBAいくつかは発表されていないが、現状ではまだ、補強接種継続などの感染対策が必要なようだ。

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