《ブラジル》「亡くなったコンゴ移民は馬鹿者」問題の黒人会長、またも失言

 黒人文化保護のためのパルマレス文化財団のセルジオ・カマルゴ会長が、1月にリンチを受けて殺害されたコンゴ移民のモイゼ・カバガンベさんを「馬鹿者」呼ばわりしたことで捜査される可能性が浮上している。17日付現地サイトが報じている。
 これの発言は、1月24日にリオ市チジュッカ地区の海岸のキオスクの日雇い労働者だったモイゼさんが、給料の支払いで異議申し立てを行ったところ、店にいた男や加勢に来た男たちからリンチにあい、殺害された事件に対してだ。カマルゴ会長は「人種差別などではない」「馬鹿者がより強い馬鹿者に殺されただけだ」とネット上で発言して問題となったことをうけてのものだ。

 この発言をめぐり、市民の権利のための連邦検察庁(PFDC)は15日、連邦検察庁にカマルゴ会長を捜査するよう要請した。これは、黒人文化の保護を行う団体の会長が、縛り上げられた上で40回もバットや棍棒で殴られて殺された黒人難民を馬鹿者呼ばわりしたこと、さらにそれを3万人ものフォロワーがいるツイッター上で行ったことを問題視している。
 カマルゴ会長は予てから、黒人の人種差別反対の社会運動を否定する発言を行って問題となっていた。また、財団内でイデオロギーによる迫害的な人事を行った容疑を問われ、労働裁から人事権を剥奪されるなどの処分を受けている最中だ。
 16日には最高裁のジウマール・メンデス判事が、不正人事での裁判管轄を労働裁から連邦裁に移管する命令を出したが、労働裁が出した、会長としての職務停止処分は維持している。

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