【14日の市況】Ibovespaは2.64%急騰、終値は128,957.09ポイント=Vale、Petrobras、B3が牽引=ドルが1.00%下落し、1ドル=5.743レアルに

 金曜日のマーケットは勢いよく上昇し、Ibovespaは2.64%急騰。終値は128,957.09ポイントと、前日比で3,319.98ポイントの上昇を記録した。一時は129,194.14ポイントに達し、129,000ポイントの大台に乗る場面もあった。週間ベースでは3.14%の上昇となり、今年に入って最も好調な週となった。
 為替市場では、米ドルが1.00%下落し、1ドル=5.743レアルとなった。一方、金利先物(DI)は全体的に上昇し、債券市場ではやや警戒感が残った。

外国資本の流入が追い風に

 One Investimentosのパートナーであるペドロ・カルデイラ氏によると、「今回の上昇は主に、米国からブラジルや中国、ヨーロッパの一部の国々への資本流入によるもの」だという。米国の政策に対する不透明感が高まる中、新興市場への資金流入が加速している。
 2025年に入ってから3月12日までの外国資本の流入は、累計95.99億レアルのプラスとなっている。カルデイラ氏は「ニューヨーク市場も上昇しているものの、連続的な上昇には至っていない。そのため、割安なバリュエーションを持つブラジル市場に資金が流入している」と分析する。

地政学的リスクにも市場は動じず

 市場の上昇基調は、世界的な貿易摩擦や地政学的リスクにもかかわらず維持された。米国のトランプ政権による新たな関税政策に対し、金曜日にはやや沈静化の動きが見られたが、ウクライナ情勢については依然として不透明感が漂う。G7はロシアに対し、新たな制裁を警告しており、特に原油分野での追加制裁が検討されている。
 米国市場では主要指数が大幅高で取引を終えたが、週間ベースでは依然としてマイナス圏にとどまった。投資家心理を示す消費者信頼感指数も3月に大きく低下し、市場には慎重なムードが残る。

ブラジル財政の好調さが投資家を後押し

 ブラジル国内の財政状況も市場の追い風となった。ブラジル中央銀行の発表によると、1月の財政収支は記録的な黒字となり、政府債務の対GDP比率も75.3%に低下した。これは予想外の改善であり、市場にポジティブな影響を与えた。
 一方で、ブラジルの小売売上高は3カ月連続で減少しており、消費の減速が懸念される。ただ、ルーラ大統領は所得税の免除対象を月収5,000レアルまで拡大することを発表し、個人消費の回復につながる可能性がある。

個別銘柄:B3やCSNが大幅上昇、Naturaは急落

 個別銘柄では、ブラジル証券取引所運営会社のB3(B3SA3)が10.95%の上昇を記録し、週間では20%以上の値上がりとなった。2月の取引データがポジティブだったことや、税務訴訟での勝訴が市場の好感を呼んだ。
 また、鉄鋼大手のCSN(CSNA3)とその子会社CSN Mineração(CMIN3)も、それぞれ11.82%、6.77%上昇。第4四半期(4T24)の好決算が引き続き評価されている。
 銀行株も軒並み上昇し、ブラジル銀行(BBSA3)は1.42%の上昇。さらに、Vale(VALE3)は鉄鉱石価格の上昇を受けて3.28%高、Petrobras(PETR4)も原油高を背景に3.08%上昇した。
 一方で、Natura(NTCO3)は第4四半期決算が市場予想を大きく下回り、29.94%の急落を記録。これは同社の上場以来最大の下げ幅となった。また、Azzas(AZZA3)も10.42%下落し、企業分割の噂が影響したとみられる。

来週は「スーパー・ウエンズデー」に注目

 市場は今週の好調な結果を喜ぶ一方で、来週の重要イベントを警戒している。ブラジル中央銀行(Copom)と米連邦公開市場委員会(FOMC)が同じ日に政策金利を発表する「スーパー・ウエンズデー」が控えている。市場予想では、ブラジルの政策金利(Selic)は1ポイント引き上げられる可能性が高く、米国の金利は現状維持が見込まれている。
 予想外の決定があれば、市場のセンチメントが大きく変動する可能性もあるため、投資家は慎重に次週を迎える構えだ。今週の「美味しい」相場の余韻に浸りつつ、来週の動きに注目が集まる。

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