ブラジルの代表的な株価指数であるIbovespaは本日、0.68%上昇し、131,147.29ポイントで取引を終えた。上昇幅は887.75ポイントだ。しかし、今日は4月1日、「エイプリルフール」であり、いたずらや噂には十分な警戒が必要だ。というのも、「真実の時」、すなわちドナルド・トランプ前米大統領が「解放の日」と呼ぶ日が明日、4月2日に訪れるからだ。この日、過去3カ月間にわたって議論されてきた関税政策が正式に発表される。ホワイトハウスの発表によると、相互関税措置は即座に発効される予定だ。
市場は関税を巡る不確実性の影響を受け、世界各地で値動きを見せた。ヨーロッパ市場は昨日の下落から回復し、ブラジル市場と同様に上昇。米国市場は不安定な動きを続け、最終的には主要指数がまちまちの結果となった。安全資産としての金価格は再び最高値を更新。ブラジルの通貨レアルに対する米ドルは0.39%下落し、1ドル=5.683レアルとなった。債券市場では将来の金利(DI)が全体的に低下し、15%をさらに下回った。
「相互関税法案」が上院を通過
これもまた事実である。トランプ政権の関税発表を前に、ブラジル連邦上院は「相互関税法案(Lei da Reciprocidade)」を可決した。この法案により、ブラジル政府はブラジル産品に対して公平な貿易待遇を与えない国に対し、制裁を科すことが可能となる。ただし、法案では米国を名指ししていない。しかし、「転ばぬ先の杖」とも言える措置だ。
ブラジルのフェルナンド・ハダジ財務大臣は、米国の輸入関税拡大の発表について「ブラジルに対する不当な報復措置が含まれている場合、理解に苦しむものとなるだろう」と述べた。
ブラジル中央銀行総裁、利下げ圧力に直面
経済において唯一の「絶対的な真実」は存在しない。利下げを巡る議論も活発化している。米国では、2025年中に連邦準備制度理事会(FRB)が合計1ポイントの利下げを実施するとの予測が広がっているが、より現実的な予想は0.75ポイントの利下げだ。
一方、ブラジルでは、中央銀行総裁のガブリエル・ガリポロ氏が、同国中央銀行創立60周年を記念する議会で、利下げを求める議員の声を受けた。しかし、ガリポロ氏は「ブラジルでは金融政策の経済への波及効果が他国ほどスムーズに働かないという厳しい現実がある」と指摘した。
投資家は積極姿勢に、外国資本が流入
本日の市場では「慎重姿勢」が後退し、投資家は積極的な買いに動いた。投資専門家であり、分析会社Top Gainの共同創業者であるレオナルド・サンタナ氏は「現在、ブラジル市場には大規模な資本流入が見られる」とし、Ibovespaが外国市場と異なる動きを示したことを指摘した。
特に外国投資家は、現在のブラジル市場の魅力を見逃さず、積極的に参入している。
Vale、Petrobras、流通業が株価を押し上げる
市場をけん引したのは、鉱業大手Vale(VALE3)と石油大手Petrobras(PETR4)、および流通業界の銘柄だった。
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Vale(VALE3):鉄鉱石価格の上昇を背景に0.86%上昇
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Petrobras(PETR4):原油価格が下落したにもかかわらず0.38%上昇
銀行株はやや低調だったが、一部はプラス圏で引けた。
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Banco do Brasil(BBAS3):+0.50%
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Itaú Unibanco(ITUB4):+0.02%
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Bradesco(BBDC4):-0.13%
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Santander(SANB11):-0.07%
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B3(B3SA3)(ブラジル証券取引所):+0.99%
流通業界は大幅な上昇を記録。
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Lojas Renner(LREN3):+3.11%
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Magazine Luiza(MGLU3):+2.96%
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Assaí(ASAI3):+5.57%
食肉加工大手も上昇。大手銀行が「鶏肉市場の好調サイクル」を理由にMarfrig(MRFG3)の買い推奨を継続したことを受け、Marfrigは3.54%上昇した。
航空機メーカーのEmbraer(EMBR3)は、スウェーデン政府による航空機4機の購入発表を受け、一時下落するも-0.02%にとどまった。
4月2日、「真実の時」が訪れる
明日、米国政府は新たな関税政策を発表する予定だ。同時に、ブラジルでは2月の鉱工業生産指数が公表される。
トランプ政権の関税方針は、ただの「脅し」なのか、それとも本格的な貿易戦争の幕開けなのか。2025年の貿易政策の混乱は続く。
アルクミン副大統領:「まず米国の発表を見極める」
ブラジルのジェラルド・アルキミン副大統領兼産業・貿易・サービス大臣は、4月2日の米国の発表を待ち、その後にブラジル政府の対応を決定する意向を示した。
アルキミン氏は、「ブラジルには経済を守り、強化する義務がある」と述べつつも、米国との関係を「重要」だと強調した。また、ブラジルが米国の貿易問題の「障害」ではないと指摘し、対話を重視する姿勢を見せた。
元IMF・世界銀行幹部:「関税の影響は金融面で顕在化」
元国際通貨基金(IMF)および世界銀行の幹部であるオタヴィアーノ・カヌート氏は、「トランプの関税政策がブラジル経済に与える最大の影響は貿易面ではなく金融市場だ」との見解を示した。
カヌート氏によると、米国ではすでに経済成長が鈍化しつつあり、インフレ圧力が高まっている。これにより、FRBの利下げの可能性が低下し、金融市場に影響を及ぼすと予測されている。