ルーラ大統領の作品を完成=映画監督オリバー・ストーン

オリバー・ストーン氏のインスタグラムより(Foto: instagram @officialoliverstone)
オリバー・ストーン氏のインスタグラムより(Foto: instagram @officialoliverstone)

 『プラトーン』(1986年)と『7月4日に生まれて』(1989年)で2度のアカデミー監督賞の受賞歴がある映画監督オリバー・ストーン氏がAFP通信のインタビューで、ルーラ大統領のドキュメンタリーを完成させたことを明らかにした。
 この作品は2018〜19年のルーラ氏収監から政権復帰までに焦点を当てている。ストーン氏は「これは司法による迫害についての作品だ。汚職の罪で収監された後の出来事についてだ。これらの国々で日常的に行われていることだ」とコメントしたと13日付G1サイトなど(1)(2)が報じている。
 この発言はストーン氏の最新作『Nuclear Now(核エネルギーの今)』という気候変動をテーマにしたドキュメンタリー作品が発表された12日、フランスのパリで明らかになった。
 2021年に同氏はフランスの映画祭で米国のジョン・F・ケネディ大統領暗殺をテーマにした作品を発表した。同監督は実はラ米関連の作品も多く制作している。「サルバドール」(1986年)から始まり、最も物議を醸す作品はベネズエラのウゴ・チャベス(195―2013年)とキューバのフィデル・カストロ(1926―2016年)に関する2本だ。
 ストーン氏はルーラ、チャベス、カストロ、それぞれが人道主義指導者とし、「司法による迫害」が世界中で政治的な手段として使用されていると述べ、「しかし誰もが腐敗している。ロシアは腐敗の基盤で機能しており、トルコやアメリカも同様だ」と付け加えた。
 同氏はロシアのウラジーミル・プーチンとのインタビューも手がけた。ルーラ、チャベス、カストロの間にどのような類似点があるか尋ねられた際に「彼らは人道主義者だ。国のためにできる限りのことをしている」と明言した。
 ストーン氏はまたドナルド・トランプ前米国大統領も「司法による戦争」として政治的な司法濫用にさらされていると述べ、「彼に対して約100件の告発があるが全てがばかげている。彼を投獄しようとしているが難しいと思う」と述べた。
 ストーン氏は自分を「自由な思考家だ」と宣言、11月の選挙でトランプには投票しないというが、「戦争屋」と非難するジョー・バイデン現大統領にも投票しないという。
 アカデミー賞を受賞した監督兼脚本家ではあるが、ストーン氏は今からフィクション映画に戻ることは難しいと認めている。「私も一つ作りたいと思いますが、それは神の手に委ねられています。全てを整える必要があり、映画を作ることは複雑だ」と語った。

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