ブラジル寺尾養蜂社=リベルダーデ街に直売店=最高級の茶緑系プロポリス

8日の寺尾養蜂社プロポリス蜂蜜直売店オープニングの様子。廣瀬牧師、寺尾社長(左から)

 サンパウロ市リベルダーデ区ガルボン・ブエノ街587番にブラジル寺尾養蜂社(寺尾貞亮社長、てらおていすけ、84歳)のプロポリス蜂蜜直売店がオープンするに当たり、ホーリネス教会の廣瀬昭壮牧師(ひろせしょうそう、82歳)が5日午前10時、同店を祝福する祈りをささげた。同店はコロナ禍終息を受けて開店した。
 寺尾さんは1979年、霊感に導かれてミナス・ジェライス州の標高約800メートルの高山地帯でグリーン系プロポリスを発見した。グリーン系の中でも最も良い香りのする茶緑系プロポリスだった。普通、プロポリスの色はこげ茶色だ。
 寺尾さんはキリスト教の一派であるブラジル・アライアンス教団の伝道師でもある。コロニア・ピニャールで日本語の教師をしていたが、生徒にキリスト教を伝道したために解雇され、1986年、ピラール・ド・スール市に移り伝道所を開いた。
 1988年、寺尾さんは訪日し、長野市で茶緑系プロポリスを30キログラム売ったところ、150万円払ってくれたという。以後、日本、韓国、中国、アメリカなど世界中に輸出するようになった。茶緑系プロポリスはブラジルだけで取れ、サンパウロ州、パラナ、ミナス・ジェライスの3州が主な産地。連邦品質検査サービス(SIF)の証明書も取得した。
 日系では最盛期に10社が高品質のプロポリスを生産していたが、現在は4社だけが生き残っている。グリーン系プロポリスは1級から15級まであり、中国では一箱100ドルで売れる。

 寺尾養蜂社は、2022年に一般社団法人日本プロポリス協議会から会員証を取得、同社のプロポリスの品質が日本の厳しい審査によって保証され、晴れてサンパウロ市の中心街に出店することになった。
 ブラジルからは年間160トンのプロポリスが輸出されており、1キログラム800から1千レアルしているので、最大年間に1・6億レアル輸出している計算だ。輸出相手国は90パーセントが日本でほかにヨーロッパ、アメリカに輸出していると公式サイトで報じている。同サイトではプロポリスは「金の値段」と勢い良く喧伝され、「ドル箱」となっていることがうかがわれる。

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