イタリア系移民初入植地でブドウ栽培=土地柄活かし独自の農法開発

サンタテレーザ市は州のブドウ生産において際立っている(3日付G1サイトの記事の一部)
サンタテレーザ市は州のブドウ生産において際立っている(3日付G1サイトの記事の一部)

 150年前にイタリア人ブラジル移住が始まり、彼らが最初に入った入植地から始まったサンタテレーザ市は、現在でもエスピリトサント州で最も多くのワインやブドウジュースを生産するなどその特徴を残す。山岳気候を活かしたブドウ栽培で際立っており、生産者の情熱と研究機関との協力により品質を高めてさらに生産力を増し、全国の顧客を獲得していると3日付G1サイト(1)が報じている。
 同市ではエスピリトサント州農村開発・技術支援研究機構(Incaper)や連邦教育科学技術研究所(Ifes)、農務省が参加する生産者向け会議や講演会が頻繁に開催されている。
 生産者と研究者の課題の一つは、ブドウ栽培拡大と生態系バランスをいかに調和させるかという点だ。「森の生態系の多様性を想像してみてください。それを単一作物栽培に変えた場合、大きな不均衡が生じる」と昆虫学博士のルシネリオ・プレゾッティ氏は問題提起する。
 同氏によれば、生態系保護は環境保全だけでなく、ブドウを害虫や気候変動から保護して高品質な商品を生む農法になるという。「森の中を模倣することができれば、このバランスを再び取り戻すことができる。完全ではないが、少なくとも以前よりは改善できる」と説明した。
 農業技術者ララ・シルヴェストリン氏は、イタリア文化が残り家族による小規模農業が営まれている土地柄が、彼女が拠点とするリオ・グランデ・ド・スル州と非常に類似しているため、この地に興味を持ったと言う。彼女は生産者と共に農薬使用のリスクや有機農業の利点の意識を高めるために働いている。
 「過剰な肥料は土壌や水を汚染するため、有機農業は農家や消費者の健康にも良い影響がある。生産コストの削減にもなる」と彼女は言う。化学農薬や害虫の攻撃を受けずにブドウを栽培するには、病気に強い品種を植え、土壌を知り、その土壌が水や肥料をどのように吸収するかを知る必要がある。
 セルジオ・スプレアンディオ氏はサンタテレーザで最も有名なワイナリーの一つを所有する。「コーヒー栽培が始まり、次にユーカリの植林に移った。その後トマト栽培が始まり、我々は長い間それに従事した結果、州で2番目に大きなトマト生産者になった。しかし取り組みが効果を失い始めたため、桃とプラムを植え始め、1997年にブドウ栽培にたどり着いた」と説明。
 この10年でブドウ栽培とワインの生産が近代化され、それに移り変わった。Ifesは生産者を支援する観点から、ワインとスパークリングワイン生産の技術研究を拡大する予定だ。

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