東洋街に黒人記念館建設計画=地元住民等の合意得られず難航

黒人記念館の完成予想図(Foto: Divulgação/Prefeitura de São Paulo)
黒人記念館の完成予想図(Foto: Divulgação/Prefeitura de São Paulo)

 サンパウロ市文化局主催のコンペにおいて優勝した、サンパウロ建築事務所が黒人追悼の建設プロジェクトを手がけることが決定した。建設予定地であるリベルダーデ地区は、20世紀に日本人コミュニティが形成される以前は、先住民、黒人などが住んでいた場所だった。
 同地区はかつて刑務所、絞首台、行政機関などがあり、サンパウロ州初の公共墓地が存在していた歴史的な場所。2018年に9体の骨が発見されたことを受け、記念碑を要求する民衆運動が始まった。25日付テラ・サイトなど(1)(2)(3)が報じている。
 黒人追悼プロジェクトの建設予定地は、リベルダーデ地区にあるアフリトス礼拝堂の隣。ガルボン・ブエノ街に面しており、礼拝堂を奥に望める設計で、歴史や文化に敬意を表すデザインが特徴。
 同コンペでサンパウロ建築事務所が優勝し、5万レアルの賞金を獲得したものの、建設にはまだいくつかの留保事項が残っているという。 一部の地元住民は、プロジェクト建設予定地の土地所有権問題に疑問を呈している。このため、法的手続きが進行中で、建設開始期限はまだ確定していないという。
 コンペで優勝した同建築事務所は、アフリトス礼拝堂の改修プロジェクトも担当しており、こちらにも社会運動家や地元住民からの反対の声がある。特にコンテストの結果に対する不透明性や、人種差別的な要素が指摘されており、同事務所はプロジェクトからの撤退を余儀なくされ、礼拝堂の改修には別の建築事務所が選ばれた。
 一方で建築家たちは、同プロジェクトについて過去の建築技術を参考にしたもので、屋根の構造的、空間的構成、また床や中二階の使い方にも工夫を凝らし、歴史的な構造物を思い起こさせる造りになっていると言う。記念館が埋葬された人々への敬意を示す空間であるだけでなく、街の楽しみを提案するものであると強調している。
 この建築プロジェクトには、建築学の学生も関与しており、社会運動や地元住民との連携を模索している。学生のフェルナンダ・ソウザ・シルバさんは、「私たちの関心はリベルダーデに積極的に入って改善策を見つけ、祖先の遺産を保ちながらも、同地区の真のポテンシャルを人々に知ってもらうことだ」と説明した。

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