愛知県知事がアルゼンチン訪問=県系人ら100人と交流

祝賀会に参加した在アルゼンチン愛知県人会員と大村知事(中央、写真提供:@AlternativaNikkei by Florencia Iwaoka)

 大村秀章愛知県知事、石井芳樹県議会議長ら県議会調査団は8月25日、アルゼンチン国ブエノスアイレス市プエルトマデロ地区のホテルで行われた在アルゼンチン愛知県人会(村瀬ビクトル・ウーゴ会長)の総会・祝賀会に出席した。大村知事らは8月20〜31日に米国、ペルー、アルゼンチン、ブラジルを訪問した。(相川知子さん寄稿)

 愛知県知事によるアルゼンチン訪問は、1世移住者の功績を称え、次世代県系人が愛知県とアルゼンチンの掛け橋となるよう5年毎に行われている。
 総会・祝賀会には県系人を始め、駐アルゼンチン山内弘志特命全権大使ら約100人が出席。これまでに県費留学生33人、研修生20人が母県で学び、その成果がアルゼンチンで活かされていることが大村知事に伝えられた。岡崎市出身の鈴木あきらさん(81歳)らに高齢者・功労者表彰が行われた。最高齢参加者は今村イツエさん(90歳)だった。
 同県人会は1971年10月に創設。会員数は36世帯90人。愛知県出身移住者とその子弟、家族の親睦や日亜友好親善関係の促進、留学生の選出などの活動を行っている。愛知県人会は世界8カ所に存在するが、南米ではアルゼンチンとブラジルのみとなっている。

 村瀬県人会長は、県人会創設メンバーの血を引く2世会長。大木亜紀彦副会長は3世で、祖父はアルゼンチン高級陶器メーカー「辻陶器」の創業者。辻陶器には愛知県の鳴海陶器から技術者が訪れ、製品改良が重ねられた。
 アルゼンチンには愛知県からトヨタ、豊田通商、トヨタ紡績、ジェイテクト、豊田自動織機、トヨタ・マテリアル・ハンドリング、ビューテックなど12社が進出し、同国の経済に貢献している。しかし、現在は同国の外貨・輸入規制が厳しく、どの会社も対応に苦慮している。大村県知事は、外務省のメレディス次官と面会した際に支援を要請した。
 大村知事は県進出企業を含む現地商工会議所のミーティングにも参加した。地元県系人からは、県系人と県系企業の交流が深まれば、県費留学で学んだ日本語力の活用、雇用機会の創出、信用のおける人材の確保、現地情報の収集とお互いに役立つ関係が構築できるようになると期待が寄せられており、駐在や留学で来亜した県出身者には県人会への参加が望まれている。

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