スペイン=ヴィニシウスへの人種差別で7人拘束=サンチェス首相も連帯示す

レアル会長とヴィニシウス Antonio Villalba/Real Madrid
レアル会長とヴィニシウス Antonio Villalba/Real Madrid

 レアル・マドリッドのブラジル人選手、ヴィニシウス・ジュニオルへのスペインでの人種差別問題が国際的な話題になる中、同選手に人種差別的行為を行っていた容疑者7人が23日に拘された。23日付G1サイト(1)などが報じている。
 スペインの全国警察は容疑者の拘を2回に分けて行った。最初は、1月にマドリッド市内の橋にヴィニシウスのユニフォームを着せた黒いマネキンがぶら下げられた件の容疑者4人の拘だ。この事件は米国の人種差別集団クー・クラックス・クランが20世紀前半に行っていた黒人へのリンチ行為を思わせるもので、国際的にも批判されていた。
 二つ目は、今回の騒動の発端となった21日のスペインの国内リーグ「ラ・リーガ」の対ヴァレンシア戦で人種差別的な野次を飛ばしたとされる容疑者3人の拘だ。
 ヴィニシウスへの人種差別問題の波紋はサッカー界を超えたものとなっている。スペインのペドロ・サンチェス首相は22日、SNSを通じ、「人種差別に対して寛容は一切許されない。私たちの国や社会において、人種差別や外国人差別のための場所はない」との声明を出した。同国政府によるスポーツ委員会も同様の声明を行っている。
 また、スポーツ用品企業のプーマやサンタンデル銀行といった、ラ・リーガのスポンサー企業も、ヴィニシウスに連帯を示す見解を発表している。
 一方のヴィニシウスは22日、レアル・マドリッドのフロレンティーノ・ペレス会長と会談を行い、激励を受けた。レアルは声明で、「現在、私たちのサッカーは世界中の人の目に汚されたものとして映っている」と人種差別な行為を嘆き、「この問題の余波には最後まで注視していきたい」と人種差別撲滅を願った。また、24日の試合では人種差別撲滅に向けたマニフェストも行う予定だ。
 ヴィニシウス自身は前日21日の「スペインのサッカーでは人種差別は日常」との発言に続き、22日もインスタグラムで人種差別を糾弾。この日は、自身がこれまで受けてきた人種差別の歴史を映像で紹介した。

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