ヴィニシウス=ブラジル国内でも人種差別の余波=親友パウリーニョらが連帯

レアル・マドリッドのヴィニシウス・ジュニオルに対するスペインでの人種差別をめぐり、ブラジル国内でも連帯を示す動きや、政治家の物議を醸す発言などが話題となっている。23日付G1サイト(1)などが報じている。
ヴィニシウスの人種差別をめぐる反響は国内外で続いており、マギノ・マルタ上院議員(自由党・PL)は同院経済委員会で23日、報道機関がこの事件を強調することで同選手を「再び被害者にした」と述べた。彼は動物愛護協会がサルを擁護するべきであり、もし自分が黒人の選手だったら「白人には敵わない」ことを示すために白い子豚を連れてフィールドに入ってそれにキスをするなどの問題発言をした。
この発言は政界やネットなどで強い反感を招き、上院の倫理委員会にかけられるだけでなく、最高裁に対して捜査を求める動きまで起こった。
また、同日はサンパウロ市西部にあるスペイン領事館前で、黒人団体やそれに賛同する人たちがヴィニシウスに対する人種差別的行為に対して、抗議運動を行っている。
さらに同日夜、リベルタドーレス杯で今大会で得点ランキング1位のアトレチコ・ミネイロのパウリーニョが、対アトレチコ・パラナエンセ戦でゴールを決めた際、「ブラック・パワー」を意味する右腕の拳を高く振り上げるゼスチャーを行い、ヴィニシウスへの連帯を誓った。
パウリーニョは試合後のインタビューでも「ヴィニとは同い年でU17の代表の時から共にプレーしている。いつだって最高の仲間だ。起こってしまったことは本当に悲しい。世界中のどこであっても人種差別が起こって良い場所はない」と、胸中を語った。
スペイン・サッカー連盟は23日、問題となった21日の対ヴァレンシア戦に関して、ヴィニシウスに与えられたレッドカードによる退場処分を解除し、ヴァレンシア側に4万5千ユーロの罰金と5試合分のスタジアムの一部閉鎖を命じた。