VERSTA事業で学生初来伯=「世界の広さ知ってもらいたい」

編集部を訪れたVERSTA一行

 森林農法の普及活動などに取り組む日本のNPO法人「VERSTA」の学生海外派遣事業により、拓殖大学の学生7人が2月4日から12日まで来伯した。10日に活動報告のため編集部を訪れた。
 派遣事業に参加したのは、後藤瑠奈(国際学科、神奈川県出身)、椎葉尚之(商学部、千葉県)、会田安那(国際、福島県)、浅川愛梨さん(商学部、福島県)、前田悠駆(はるく)(農学部、北海道)、車戸麗奈(商学部、千葉県)、稗田朱理さん(商学部、東京都)の7人。山村延郎理事長、小野瀬由一専務理事、長尾素子理事、野秋盛和理事も共に来伯した。
 VERSTAは2010年からブラジルでの活動を行っているが、学生を派遣したのは今回が初めて。同事業では、異文化交流体験を通じて、世界で活躍する人材の育成を目指す。
 学生らは滞在中、VERSTAがサンパウロ州セテ・バラス市で行った森林農法講演会への参加や、同市ハッポーザ村植民地の農場、サンパウロ市見学などを行った。
 椎葉さんは来伯前にはブラジルはどこもジャングルという印象を持っていたが、サンパウロ市の大都市としての発展ぶりに驚いたという。会田さんは日系社会に関心が湧いたと述べ、再びブラジルを訪れたいと語った。
 車戸さんと稗田さんは、ブラジルでの日本文化の浸透ぶりと日本語話者の多さに驚き、ハッポーザ村植民地で参加した餅つきを振り返って、「日本の田舎にいるみたいでした」と語った。
 前田さんは「農家の人と話すと、何百ヘクタールという単位が当たり前に出てきてその度に驚いてしまった。ブラジルと日本の農業の違いを理解して、いろいろなことに挑戦したい」と語った。
 VERSTA役員らは、近頃の日本の学生は物事を一人で完結しようとする内向きの傾向が強いと述べ、「実際に世界に出てみて、その広さと、大きく広がる未来の可能性についてもっと知ってもらいたい」と派遣事業に対する思いを語った。

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