在住者リポート=ペルーは今=服部知事ら240人が参加=第11回海外福岡県人会世界大会=ペルー在住 都丸大輔=11月24日

第11回海外福岡県人会世界大会の全体写真(ペルー新報スペイン語版11月20日1面より)

 ペルー福岡県人会は16~18日、同国首都リマにおいて、「第11回海外福岡県人会世界大会」を開催した。同大会は母県福岡をはじめ、南北アメリカ大陸の福岡県人会代表者らが一堂に集まる国際交流イベントで、3年に一度開催されている。
 大会初日の16日には、首都リマのスイスホテルで記念式典及び歓迎レセプションが行われた。式典には服部誠太郎福岡県知事、桐明和久福岡県議会議長、片山和之ペルー駐箚日本国特命全権大使夫妻、宮城アンドレスペルー日系人協会会長らが出席。福岡県からの訪問団、ペルー及び世界各国の福岡県人会代表者ら合わせ、総勢240人が集った。
 式典は日本とペルー両国歌とペルー福岡県人会歌の斉唱から始まった。
 式典挨拶に立った大内田アルマンド大会実行委員長は「新型コロナウイルスが大流行し、現在も世界的に被害をもたらしています。同大会を企画する上で、我々は非常に困難な時期を過ごさなければならず、今大会の開催が決定したのは今年の3月でした。そうした中で福岡県の訪問団及び世界各国の福岡県人会から会員ら150名、ペルー福岡県人会のメンバー150名、合計約300名の方が参加してくださいました」と参加者へ感謝の言葉を述べた。
 その後、昼食、アーティスティックプログラムが披露された。
 大会2日目の17日には、代表者会議が実施され、日本をはじめ、ブラジル、パラグアイ、ボリビア、コロンビア、カナダ、アメリカ合衆国、メキシコ、ペルーの9カ国の代表者が参加した。同会議は、世界大会のために集まった各国の若者たちが交流を深める機会にもなっている。
 代表者会議では、主に3つのテーマが話し合われた。1つ目は新型コロナウイルスの世界的大流行がどのような悪影響を及ぼしたかについて。2つ目は福岡県による福岡県移住者子弟留学生制度(県費留学生制度)と県人会担い手育成事業(招へい)などについてどのように考えるか。3つ目は自分たちについて。
 若者世代が県人会に入ると、活動を通じて助け合いを経験し、人間的な成長がみられることや、祖父母の代から続く各国の県人会活動を継承していくことについても話し合いが行われた。
 大会3日目の18日には、さよならパーティーが催された。服部知事、桐明議会議長、片山大使、福岡県からの訪問団らが出席した。

 式典挨拶に立ったペルー福岡県人会のギジェルモ・マカベ会長は「日本から第11回福岡県人会世界大会に参加していただきましたこと、ペルー福岡県人会を代表して心から感謝を申し上げます。また、世界大会の開催地にペルーを選んでくださったこと、そしてこの素晴らしい国際大会実現のために数々の支援をして頂いたことにも心から感謝しています。ペルーを訪れるために多大な努力をしてくださった方々、在ペルー日本国大使館をはじめ、世界大会開催に協力してくださったすべての団体や人々、大内田アルマンド大会実行委員長に感謝しております」と謝辞を述べた。
 服部知事による挨拶の後、福岡県鞍手郡小竹町の松尾勝徳町長が乾杯の音頭をとった。
 第11回海外福岡県人会世界大会において作成されたペルー宣言で、第12回海外福岡県人会世界大会は、2025年に福岡県で開催されることが発表された。
 世界大会の最後には世界的に有名な福岡県出身の和太鼓集団「打賊・野武士」が和太鼓の演奏を披露し、出席者全員で和太鼓のリズムに合わせて踊り、閉幕となった。
 服部知事をはじめとする福岡県からの訪問団は、3日から19日まで行われていた第50回日本文化週間の最後を飾るAELU祭りのパレードや鏡開きなどにも参加した。

筆者略歴

都丸大輔。青森県生まれ東京都育ち、将棋三段、日本語教育能力試験合格。日本では教育委員会の嘱託職員として外国人児童の日本語教育、学校生活の支援に取り組むとともに、スペイン語圏話者向けの個人レッスン専門の日本語教師、スペイン語通訳に従事。2012年からペルーに定住し、個人レッスンを中心とした日本語教育に携わりながら、ペルーにおける将棋普及活動に取り組む。2017年からはペルー日系社会のためのスペイン語と日本語の2カ国語の新聞を発行するペルー新報社(https://www.perushimpo.com/)の日本語編集部編集長に就任。2021年からはねこまど将棋教室の将棋講師として、オンラインでの将棋の普及活動にも取り組んでいる。

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