W杯会場でジルベルト・ジルを中傷=応援に来ていたブラジル人企業家

 大御所歌手のジルベルト・ジルがサッカーW杯観戦のために赴いたカタールで、ブラジルから応援に駆けつけた企業家から罵声を浴びた映像が流れ、問題化している。27日付現地紙、サイトなどが報じている。
 これは、ジルが24日のブラジル代表(セレソン)対セルビア戦を観るためにフローラ夫人と共にカタールのルサイル・スタジアムを訪れた際に起きた。
 スタジジアム内を歩いていた2人に、セレソンのユニフォームを着た中年の男性が近づき、「行け、ルアネー法(保守派が嫌う文化支援法)」、「行け、ボルソナロ」と叫んだ。2人はこの罵声を無視した。
 この動画は25日頃からネット上で拡散されはじめ、すぐに騒動となった。それは、ジルがカエターノ・ヴェローゾらと並ぶ国際的な歌手であり、過去に文化相も務め、たった40人の名声不朽の人物しか選ばれないブラジル文学アカデミーのメンバーでもあるからだ。
 そんな人物を国際的な注目の集まる場所で中傷したことに批判の声が高まった。ユニフォームに書かれていた愛称らしき「パピート・ラニ」という言葉から人物はすぐに特定され、米国在住で、リオ州ヴォルタ・レドンダでドミノス・ピザなどのフランチャイズも経営するラニエル・フェリペ・ドス・サントス・レマシェ氏で、アウシリオ・ブラジルも受給していたことなどが判明した。
 人物の特定後、ドミノス・ピザ・ブラジル支社はジルに対して行われた行為に遺憾の意を表明した。レマシェ氏は、ジル氏を尊敬しているとした後、中傷したのは自分の後ろにいた人で、自分ではないと弁解している。

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