《サンパウロ市》今月2度目のバスのスト=運営会社が調整に応じず

 29日、サンパウロ市で今月に入って2度目のバス運転手と車掌(コブラドール)によるストが起こり、市民の足に影響が出た。同日付現地サイトが報じている。
 サンパウロ市では14日も給与調整をめぐって24時間ストが起きたばかりだ。そのときは、組合側が求めた、給与と食事手当の12・47%の調整を運営会社側が約束したため、同日午後にストを中止した。だが、運営会社側がそれ以外の要求に応じなかったため、2度目のストにつながった。
 2度目のストは14日の時点で予告されていたが、組合側が運営会社側に対し、「72時間以内に要求に対する回答を」と求めていたのに無視されたことで決行となった。運営会社側も、料金調整がされていないのに燃料価格が上がっていることなどを理由に、返答を渋っている。
 これにより、市内27のバス会社のうち半分以上の14がストに踏み切った。労働裁判所は「ピーク時に80%、平常時に60%の運営」を組合側に求めたが、無視された。
 この結果、バスが利用できない人たちが地下鉄やCPTM、アプリのタクシー・サービスといった他の交通機関に殺到。乗用車で相乗りした人たちもおり、混乱や渋滞が起こった。
 リカルド・ヌネス市長は、「バス代は過去2年間、4・40レアルで据え置かれているのに、ディーゼル油は累積で107%値上がりしている上、利用者も減って、収益が減っている。このままでは大幅な料金調整が必要だ」と発言。市役所は同日午後、組合側との再交渉に入る予定だが、合意成立への見通しは不透明だ。
 このストにより、サンパウロ市の乗り入れ規制「ロジージオ」の実施は差し止められた。

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