大統領の報道攻撃に有罪判決=表現の自由と報道の自由

ボルソナロ氏が10万レアルの賠償金支払い命令を受けたと報じる7日付G1サイトの記事の一部
ボルソナロ氏が10万レアルの賠償金支払い命令を受けたと報じる7日付G1サイトの記事の一部

 サンパウロ州の裁判所が7日、ボルソナロ大統領のジャーナリスト達への罵倒は、言葉による暴力であり、表現の自由の乱用にあたるとして、大統領に10万レアルの賠償金を支払うよう命じた。
 これは、サンパウロ州ジャーナリスト組合が昨年の4月7日に起こした裁判への判決だ。同組合は、大統領に報道機関への攻撃や報道活動の価値を下げるような発言、ジャーナリスト達の個人情報の公表(漏洩)を止めるよう求めていた。
 裁判所は、連邦行政の長(大統領)にも個人的な表現の自由の権利がある事を認めつつも、「種々の記録は、表現の自由の権利が被告の置かれた立場の尊厳とは完全に相容れない、明らかに虐待的な方法で使われていた事を示している」として、組合側の言い分を認めた。
 判決文には「国家元首である被告による攻撃や脅迫行為は支持者にも多大な影響を及ぼし、民主主義の柱の一つである報道の自由を行使している全国のジャーナリストが仮想的および物理的な攻撃に苦しむ事態まで招いた」とある。
 さらに、大統領がジャーナリストに対して同性愛嫌悪や女性嫌悪、女性蔑視にあたる表現を繰り返し行った事、ジャーナリストを攻撃するよう支持者達に仕向けていた事、報道関係者への憎しみを表すヘイトスピーチを実践していた事などにも言及している。
 判決が出された7日はちょうど「報道の自由((マスコミの表現の自由)の日」だった。各報道機関は、報道の自由は民主主義を支える基本的な権利である事を確認し、アピールする発言や番組を流した。
 サンパウロ州ジャーナリスト組合は賠償金の10万レを情報拡散権擁護のための州基金に返還する意向だが、同判決は第一審判決であり、大統領には上告する権利がある。
 昨年はジャーナリストへの攻撃が前年より21%増え、ネット上では1日4千件の攻撃や脅迫が見られた。同様の傾向は今年も続いているという。
 今回の判決では、個人の自由と置かれた立場、自由や権利は制限や義務も伴う事などを考えさせられた。(み)

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