「カリスマなき政党」の悲哀

フランサ氏(facebook)
フランサ氏(facebook)

 10月の選挙で主役の座を狙っていたブラジル社会党(PSB)が、「現実」という名の壁にぶち当たっている。
 大統領選におけるルーラ元大統領の人気に便乗して、労働者党(PT)と連立を組み、サンパウロ州知事選を有利に進めようとしたが、その候補者選び交渉がなかなかうまくいっていないのだ。
 PSBは党の看板政治家であるマルシオ・フランサ氏をサンパウロ州知事選に出馬させたがっている。フランサ氏といえば、知事辞任の副知事から昇格という形かつ、9カ月の短期間ではありながらも、かつて聖州知事も務めたほどの人物。PSBはフランサ氏を選挙を経た正式な知事にさせたいからこそ、ジェラウド・アウキミン氏をルーラ氏の副候補に据えるという、仰天プランもぶちあげた。
 PSBとしては「アウキミン氏を副候補として提供する見返りに、サンパウロ州知事ではどうしてもらいたいか察して欲しい」というのが本音だったのではないかと思う。
 だが、それで空気を読むようなPTではなかった。

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