ブラジルの株式市場の主要指標であるIbovespaは、3月17日（月）に心理的な節目である130,000ポイントを突破し、一時131,000ポイント超を記録した。最終的に1.46%の上昇で取引を終え、130,883.96ポイントに達した。これは2024年10月28日以来の高水準であり、その際の終値は131,212.58ポイント（当日1.02%上昇）であった。
株式市場の動向：ヴァーレ、ペトロブラス上昇、B3下落
この日の市場は幅広く上昇し、ヴァーレ（VALE3）は鉄鉱石価格の下落にもかかわらず1.44%上昇した。ペトロブラス（PETR4）は原油価格の上昇を受けて1.86%の上昇を記録した。
金融株も堅調で、主要銀行株が2%以上上昇。ただし、ブラジル証券取引所を運営するB3（B3SA3）は、先週の急騰の反動で3.50%下落した。
その他、ペット用品大手Petz（PETZ3）はCobasiとの合併承認が好感され0.43%上昇。一方、SLC Agrícola（SLCE3）は土地購入を受けて3.92%下落し、ナチュラ（NTCO3）は前週の急落（30%以上下落）を引き継ぎ、さらに3.16%下落した。
ドルが1%下落、5.68レアルに—11月以来の最安値、外国市場の動きに追随
ドルの現物相場は対レアルで1.03%下落し、5.6861レアルで取引を終えた。これは昨年11月7日以来の最安値であり、その際の終値は5.6759レアルであった。今年に入ってから、ドルは対レアルで累計7.98%の下落となっている。この下落は、中国経済に関する好材料、ウクライナ紛争の和平交渉の進展、そして原油価格の上昇によるものである。
中国経済の回復が後押し
この上昇の要因として、ブラジル市場と密接な関係を持つ中国経済の回復が挙げられる。中国政府はこの日、予想を上回る経済指標を発表するとともに、国内消費の促進と所得の向上を目的とした政策を発表した。
投資戦略会社Grupo Laatusのチーフストラテジストであるジェファーソン・ラアトゥス氏は「中国の経済成長が加速すれば、ブラジル経済も恩恵を受ける。ただし、米国の関税政策に対する不透明感が依然として強く、市場の先行きは不透明だ」と指摘した。
また、国際的な地政学リスクも市場に影響を与えた。米国のピート・ヘグセス国防長官が、イエメンのフーシ派に対する攻撃を継続する意向を示したことを受け、原油価格が上昇。これがペトロブラス株の上昇要因となった。
一方、ロシアとウクライナの戦争に関しては、米国のドナルド・トランプ大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領が3月19日（火）に電話会談を行うと発表され、紛争解決への期待が高まった。
米国の景気動向と金融政策
米国では、小売売上高が2月に回復し、景気の緩やかな成長が示唆された。これを受け、米国株式市場ではナスダック総合指数とS&P500指数が4週間連続の下落から反発し、2日連続で上昇した。
今週は、米国とブラジルの金融政策決定が注目される「スーパー水曜日（Super Quarta）」となる。ブラジル中央銀行（Copom）はすでに2024年12月の会合で、政策金利（Selic）を1.0%引き上げる方針を示しており、3月の会合で14.25%に達する見込みだ。
一方、米国の連邦準備制度理事会（FRB）は、2024年末に100ベーシスポイントの利下げを行った後、1月の会合で政策金利を据え置いた。市場は今回の会合でも同様の決定を予想している。
ブラジル経済の回復を示唆するIBC-Br指標
国内経済では、ブラジル中央銀行が発表した1月のIBC-Br（GDPの先行指標）が前月比0.9%上昇し、市場予想の0.2%を大きく上回った。これにより、ブラジル経済の減速が緩やかなものになるとの見方が強まった。
また、ブラジル財務大臣フェルナンド・ハダジ氏はルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ大統領と会談し、月収5,000レアルまでの所得税免除の計画について協議した。この政策の財政負担は、当初見込まれていた330億レアルから270億レアルに縮小する見込みだ。
今後の市場展望
今週は重要なイベントが控えているが、初日は市場にとって好調なスタートとなった。市場関係者は「Ibovespaが129,600ポイントを超えれば、132,300ポイント、さらには137,469ポイントへの上昇が視野に入る」と指摘。一方、下値のサポートラインは125,300ポイントと122,000ポイントと見られている。
18日（火）には主要経済指標の発表が少ないものの、ブラジルと米国の中央銀行が政策決定に向けた会合を開始する。今週の市場は大きな動きを見せる可能性がある。
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