「多様性ある社会のイメージ得た」=2週間研修した本多加代子さん

大阪サンパウロ市姉妹都市協会役員やOBや来賓の皆さん。前列左から3人目が高木代表、小室千帆首席領事、本多さん

 大阪・サンパウロ姉妹都市協会(吉川秀隆理事長)の「第11回ポルトガル語スピーチコンテスト」で優勝して得た約2週間のブラジル研修を終えた本多加代子さん(35歳、愛知県)は14日昼、サンパウロ市の魚料理レストラン「ランショ・リオ・ドッセ」で行われた送別会で約20人から送り出された。
 今回4回目のブラジル訪問で一番印象に残ったのは、ピラール・ド・スル日本語学校だったという。「日本文化をブラジルに定着させるために、先生たちが真剣に取り組んでいる様子に感動した。生徒の53%が非日系人だと聞き、ブラジル社会に認められる教育がここでは行われていることが感じ取れた。日本から一番離れたブラジルで、こんな取り組みが行われていることに喜びを感じる」と述べた。
 また、「文化は時代によって変化するものであることも痛感した。時代に合わせて変化しつつも芯の部分は揺るがない、そんな日本文化でありたいと思った。日本も国際化が進んでおり、日本の交通ルールをしっかりと外国人住民に理解してもらい、保険という仕事を通して多様性のある社会にする役割の一端を私も担いたい。そんな日本社会の未来のイメージをここで得ることができたのが収穫だった」と笑顔で語った。
 本多さんは愛知県半田市で顧客の9割がブラジル人という自動車保険代理店KMガレージを経営しており、今回は当地の自動車製造企業や保険会社も訪問して、当地の事情を調査した。

乾杯の様子。左から2人目が本多さん

 送別会に参加した上村秀樹さん(30歳、3世)は、2018年に聖市から大阪市に研修に行った。「あの時は3社を訪問させてもらい、会社によってもその文化が違うことを体感した。大変充実した日本体験ができた」と研修体験を振り返り、感謝を語った。
 同姉妹都市協会の伯国側代表、高木ラウルさんは「本多さんはとても勉強熱心で感心した。今回の経験をぜひ日本で活かして、大阪とサンパウロ市の交流促進に一役買ってください」とエールを送った。

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