日本初=沖縄県系移民渡航記録データベース=1900年から41年まで検索可能

沖縄県系移民渡航記録データベースのトップページ
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 沖縄県立図書館、ハワイ沖縄系図研究会(ハワイ沖縄連合会)、沖縄移民研究センター(琉球大学)が協働で「沖縄県系移民渡航記録データベース」(https://opl.okinawan-migration.com/main.php)を構築し、無料公開を始めた。沖縄県立図書館によれば、都道府県単位での渡航記録データベースの公開は、日本初の試み。沖縄は今年5月に本土復帰50周年の節目を迎え、10月に第7回世界のウチナーンチュ大会の開催を控えている。同事業は海外沖縄県系人ネットワークの継承と発展を図るために実施された。

 データベースでは、1900年(明治33年)から1937年(昭和12年)の間に、沖縄県から海外へ渡った県系移民の渡航記録を検索することができ、世界のウチナーンチュ(沖縄県系人)が自身のルーツを調べ、海外渡航した親戚の足跡を辿ることができる。12月末までに1944年までの分を追加公開する予定。
 データベースには約5万件の渡航記録が収録され、渡航先・氏名・年齢(出生年)・本籍地・戸主名・旅券発行日などを検索できる。漢字とローマ字で検索することができるので、非日本語識者の県人子弟や、呼び名はわかるが登記簿に使用している漢字がわからない親族の検索なども簡単に行える。サイト表示は日本語、英語、スペイン語、ポ語に対応している。
 元データとしているのは、沖縄県史編纂の一環として外務省外交資料館が所蔵している「海外旅券下付表」などの渡航者記録や、県教育委員会が沖縄県出身者を抽出して出版した『沖縄県史料近代5(移民名簿I)』など6冊。データベースには未刊行分を含めた記録がデータ化されている。
 データベース構築の背景には、同県からの移民が開始されてから120年以上が経過し、世代交代が進む中、母県との血縁的な繋がりの確認が困難になっている現状がある。海外県系人の中には自身のルーツに深い関心を持っている人も多く、データベース構築の下準備化は18年から始まっていた。
 沖縄県立図書館は、同データベース事業と連携して、沖縄県系移民一世ルーツ調査・相談サービス(https://www.library.pref.okinawa.jp/about-okinawa/cat1/post-13.html)も実施しており、こちらの利用も呼びかけている。

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