日本有数の日系ブラジル人社会がある愛知県豊田市北部にある保見団地。全住人約一万一千人中、約三割をブラジル人が占めることで有名だ。そしてここは、創業以来初めて営業赤字を計上した世界最強の自動車メーカー、トヨタの企業城下町でもある。同社の下請け関連企業が集中する近隣市町村は「地域ごと倒産したみたい」(住民談)な寂しい雰囲気に覆われているという。ニッケイ新聞通信員の秋山郁美さん=愛知県在住=が手伝っている保見団地内のブラジル学校には、失業者向けの救援物資が届けられている。続々と集まる日本人からの厚意、そしてブラジル人住民たちのため息、危機にこそ見える真意を現地から伝える。(編集部)