ブラジル日本都道府県人会連合会(与儀昭雄会長)主催の「移民のふるさと巡り」。三十回を迎えた今回、過去最高の参加者となった百十七人は九月二十六日夜、リベルダーデを発った。ツッパン、バストスでパウリスタ線の風に吹かれ、南麻州のトレス・ラゴアスで夜の帳に包まれた後、カンポ・グランデで三線(さんしん)の響くなか、沖縄ソバに舌鼓。パンタナールでワニと戯れ、ノロエステ線プロミッソンで上塚周平に思いを馳せたら、リンス温泉でひとっ風呂。果てはポンペイアで西村俊治詣でのテンコ盛りを四泊七日の強行軍と相成った。移動距離は、日本列島縦断のほぼ二千八百キロ、移動時間丸二日。この生き急ぐかのような旅の参加者の平均年齢は、七十三・五歳というから驚きだ。