日伯交流年(日本移民百周年)開始まであと三カ月あまり。いよいよ歴史的な節目が迫ってきた。日系人がブラジル社会への貢献は多岐や分野にわたるが、とりわけ農業分野においては特筆すべきものである。
なくなったとはいえ、コチア産業組合はブラジル農業界に大きな足跡を刻んだことに間違いはなく、今も切り離された幾多の地方農協が活発に活動している。まるで熟した果実が樹木から自然に落ち、あちこちに新たな芽を出しているように見えないだろうか。
農業界の象徴的人物として、本日二十五日に五十周年忌を迎えた下元健吉を取り上げ、外山脩氏に連載「コチア産組=新社会建設=創立者の光と影」を依頼し、明日二十六日付けから第五面で掲載を開始する。
今連載では、下元を巡る様々な意見を丹念に集め、「アンチ派」「敬遠派」「敬愛派」の三つの角度から、その傑出した人物像を多角的に浮き彫りにし、県人性と組合のあり方などに深くメスを入れた。これを機に、さらに日系人の伯国社会への貢献に光が当たることを期待したい。(編集部)
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