老人ホーム入居者に違法薬物投与か 夜間介護者の増員回避で

処方箋もなく使われていたとみられる医薬品(Divulgação/Polícia Civil)

 連邦直轄区近郊のヴァルパライゾ・デ・ゴイアスの老人ホームが、夜間の介護者の増員を避けるために入居者にドーピングを行っているとの匿名の通報があり、警察が捜査を開始したと5月28日付G1サイトなど()()()が報じた。
 このフラテルノ作戦は5月25日に行われた。市警によると、捜査員が現場に到着した時はたった2人の職員が38人の入居者の世話を行っていた。
 また、高齢者が廊下や理学療法室で寝ていたり、食料庫にゴキブリがいるなど、通常ではありえない状況も確認された。
 使用が制限されているはずなのに処方箋のないモルヒネなどの薬や大量の抗アレルギー薬、白紙の処方箋、医師の署名が入っていない記入済みの処方箋などを、警察は押収した。現場では入居者のための薬を砕いたりするために使われていた乳棒や、入居者の名前が記され、様々な薬が入った瓶なども見つかっている。
 警察はホームでの日常などを確認するため、防犯カメラの映像も持ち帰った。
 現場にいた介護者たちは事情聴取を受けて釈放されたが、捜査対象である現場責任者の所在は確認できなかった。警察によると、現場責任者は、高齢者の心身の健全性と健康を危険にさらした罪や、処方箋に従わない薬を使用していた容疑で供述しなければならないという。
 警察では、怠慢や暴行・虐待などと共に、薬を過剰に投与したことで入居者8人が死亡したという匿名通報を受けたとされている。担当警部は、現場での捜査では虐待や処方箋のない薬の投与しか確認できなかったと説明しているという。
 なお、警察は老人ホームの名前は明かしていない。

 

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