61年前、難問だった「戦後初の日本移民導入」をジェトゥリオ・ヴァルガス大統領(当時)との〃個人的な関係〃から実現したのが、和歌山県出身の戦前移民・松原安太郎(1892―1961)だ。そんな大功労者の割にまとまった経歴が書き残されておらず、むしろ〃毀誉褒貶相半ばする人物〃のような評判まで残っている。今年4月に仁坂吉伸・和歌山県知事をはじめとする50人以上の大型訪問団が戦後初の日本人集団地・松原移住地を訪れたのを機に、麻州クイアバに住む子孫を訪ね、家族に伝わる「安太郎伝」を聞いてみた。(田中詩穂記者取材、深沢正雪記者補足、一部敬称略)
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