デカセギを取り巻く環境が激変しているのは、日本ばかりではない。金融危機の犠牲となり、真っ先に「派遣切り」されたデカセギが大挙して帰伯しており、当地の事情もまた急変している。最大手と言われていた派遣会社ですら一人も送れない状態に陥いり、グアルーリョス空港で取材したデカセギ夫婦は「私たちは首になり、代わりに中国人研修生二百人が工場に入った」とうなだれた。大挙帰伯を裏付けるように、日本からブラジル行きの飛行機利用者は先月、前年比二・五倍強を記録した。デカセギ業界にいったい何が起きているか。