アメリカ発の世界同時不況のあおりを受けて、帰伯デカセギの動向が日本メディアでも盛んに報じられているが、日本の永住者資格を取得し、長期滞在するデカセギも近年増加の一途を辿っていることも指摘されている。しかし、母国に夫や妻、子ども達を残して音信を絶つ人が相当数に上っていることは十分に知られていない。また、日伯の法律は現在のような大量移住を想定しないでつくられており、現状に適応していないことも、移民百周年後の日伯両国の課題となっている。こうした背景を踏まえ、デカセギに〃捨てられた〃留守家族の苦悩と想いを探るとともに、両国間にまたがる司法的な課題や現状を探った。(池田泰久記者)