レヴァンドウスキー最高裁判事、ルーラ次期政権入りか=功労称え英国大使に?!=新判事や法相人事に影響

レヴァンドウスキー判事(Nelson Jr/STF)
レヴァンドウスキー判事(Nelson Jr/STF)

 次期ルーラ政権人事において、最高裁判事を来年退官するリカルド・レヴァンドウスキー氏が退官を早めてルーラ政権の閣僚や大使となることが連邦政府、最高裁人事の焦点のひとつであると、14日付現地紙が報じている。
 レヴァンドウスキー判事は来年5月に75歳となり、定年退職となる。しかし、ルーラ氏が大統領選で当選した時から、退職を早めて来年1月からルーラ政権入りするのではないかとの憶測が流れている。
 レヴァンドウスキー氏は第1期ルーラ政権の2006年にルーラ氏の指名を受けて最高裁判事となったが、それ以来、ルーラ氏をはじめ、労働者党(PT)に有利な判断をし続けたとの印象を持たれている。
 その代表例は2012年のメンサロン裁判の際、結果的に有罪となったジョゼ・ジルセウ官房長官やジョゼ・ジェノイーノ元党首に対して無罪投票を行ったこと。さらに、ラヴァ・ジャット作戦では、ヴァザ・ジャット報道で問題となった同作戦元担当判事セルジオ・モロ氏の漏洩された携帯電話の内容を被告だったルーラ氏側に閲覧するのを許可したことなどで、物議まで醸した。後者に関しては、ラヴァ・ジャット作戦崩壊の要因となったと指摘する向きも少なくない。
 そのレヴァンドウスキー氏に対し、ルーラ氏自身が同氏の今後の処遇や、同氏が抜けた後の最高裁判事の人事に関して意見を聞きたいとの強い意向があると報じられている。
 レヴァンドウスキー氏の今後に関しては、イギリス大使ということで落ち着きそうだという報道も流れはじめている。当初、法相や国防相との噂があったが、本人が一族に縁の深いロンドンでの勤務を望んでいるという。
 焦点はむしろ、最高裁人事にあるとの見方もある。それは、ルーラ氏の任期にあたる2023〜26年は、同氏と来年10月に定年を迎えるローザ・ウェベル判事の後任を選ばなければならなくなるためだ。ローザ判事もジウマ政権時代の2011年に選ばれた、PT政権時代の判事だ。
 ルーラ氏としては、この2人に代わる左派寄りの判事、それもかなり若めの判事を任期中に据えたいとの意向がある。ボルソナロ大統領は任期中に、カシオ・ヌーネス氏、アンドレ・メンドンサ氏という、現在50歳の若い保守系判事を選んでいる。両判事とも任期が終わるのは2047年と、25年先だ。
 現時点で候補に挙がっているのは、刑法学者のピエルパオロ・ボッティーニ氏、法廷学者のエレーノ・トーレス氏、元ブラジル弁護士会会長のマルクス・ヴィニシウス・フルタード氏にマリア・パウラ・ダラーリ氏、国立会計検査院(TCU)のブルーノ・ダンタス院長らがある。
 また、レヴァンドウスキー氏に法相に関する意見を聞くことも考えられている。法相候補のひとりは前マラニョン州知事のフラヴィオ・ジノ氏だが、上院の連邦政府リーダー格になるのではとの見方もある。

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