「最後に来たのは40年前。記憶もないくらい昔の話」―秦野生らは縁の深い神奈川農場に到着すると、清々しそうに周囲を見渡し、記憶の糸をたぐった。1962年に神奈川県立秦野高等職業訓練所に海外工業移住科が設置され、以来1980年まで通称「秦野生」と呼ばれる卒業生ら計300人余りがブラジルへ渡った。長年活動が途絶えていたが、1期生の佐藤晃さんらの発案により11日、同科設立50周年を記念し『50周年記念同窓会』が同農場の秦野10周年青雲記念碑前で開かれた。親族含め、35人が来場し再会を喜び合った機会に、戦後移民最後発組の生き様を聞いてみた。(児島阿佐美記者)