創立50周年を迎えたばかりの若いイグアス移住地は、パラグアイへの殖民事業の最後発にして、最大規模のものだ。いまも活気ある農業組合があり、移住者の大半は農業で生計を立てている。そして20歳前後が中心の二世層はまるで日本の日本人のような言葉を使う。8万7千ヘクタールを誇る移住地はそのままイグアス市という行政区域になっているが、選挙で選ばれる市長よりも日本人会の会長の方が大きな権限を持っているような雰囲気すら漂っている。イグアス市の人口8700人のうち、日本移民とその子孫は200家族(約700人)で人口に占める比率は10%に満たないが、経済力は9割に達している(日本人会役員談)からだ。かつてブラジルにも同様に活気のある移住地はあったが、百周年を経た現在はだいぶ事情が違ってきている。ブラジルと比較しつつ、同地の今後を探ってみた。