けっぱれ!(がんばれ)岩手、山田――。東日本大震災から2カ月余りたった5月16日、被災した東北各県の被災地の中でも最悪だった一つ、岩手県下閉伊郡(しもへいぐん)山田町(まち)を訪れると、現地で支援活動をする自衛隊によって、そう書かれた旗があちこちに翻っていた。全家屋の4分3が水を被るなどの被害を受け、人口約1万9千人のうち死者と行方不明者を合わせればなんと900人弱という町だ。実はそこにブラジル岩手県人会(千田曠曉会長)の賛助会員が4人も住んでいる。県人会の協力により、そのうちの二人を訪ね、当日の様子や日系社会へのメッセージを尋ねた(深沢正雪記者)。