連警=ボルロナロら37人書類送検=検察長官が起訴なら被告に=前大統領「私は関係ない」

連邦警察は21日、ジャイール・ボルソナロ前大統領をはじめ計37人を、2022年大統領選後に行った「民主主義法治の暴力的廃止」「クーデター未遂」「犯罪組織」で連邦検察庁に書類送検した。その後、検察長官が最高裁に起訴するかどうかを決める。昨年から始まった捜査には、大統領就任前のルーラ氏らの殺害計画・未遂で5人が逮捕された今月19日までが含まれている。同日付G1サイト(1)が報じている。
書類送検されたのは、ボルソナロ前大統領、22年の大統領選でボルソナロ氏の副候補だったヴァルテル・ブラガ・ネット氏、大統領府安全保障室(GSI)長官だったアウグスト・エレーノ氏、ブラジル情報庁(Abin)元長官で下議のアレッシャンドレ・ラマジェン氏、元国防相のパウロ・セルジオ・ノゲイラ氏、ボルソナロ氏の所属する自由党(PL)党首のヴァルデマール・コスタ氏、元法相のアンデルソン・トレス氏、ボルソナロ氏の元側近で司法取引に応じたマウロ・シジ氏など、前政権関係者が11人、前政権関係者以外の軍人が19人。その中には大統領府秘書室所属だったマリオ・フェルナンデス氏ら、19日にルーラ氏暗殺未遂計画で逮捕された4人も含まれている。
さらに、大統領元側近のフィリペ・マルチンス氏や極右のジャーナリスト、神父、アルゼンチン人インフルエンサーなどが含まれている。(2)
連警捜査班は、捜査対象者を働き役割毎に六つのカテゴリーに分けている。一つ目は、電子投票機を始め、選挙システムを疑う「虚報拡散とシステム攻撃班」、一部の軍人たちを反乱に取り込もうとした「軍人扇動班」、大統領選の結果を変える条令の下書き(ミヌタ)などを作成した「司法犯罪班」、軍施設前で泊まり込んでいた抗議者を退散させずそのままにした「意図的な反逆者支援班」、クーデター実行のための情報収集や大統領選に当選したルーラ氏と副のジェラルド・アルキミン氏、選挙高裁長官だったアレッシャンドレ・デ・モラエス最高裁判事に対するスパイ行為などの「並行情報収集班」、ルーラ氏、アルキミン氏、モラエス氏の暗殺計画実行のための「強硬手段行動班」だ。(3)
一連の動きには、大統領選挙前から展開していた投票システムを疑う行為、大統領選挙後の抗議活動黙認、ミヌタ発行によるルーラ氏らの当選無効化、ルーラ氏やアルキミン氏、モラエス氏の殺害計画、1月8日三権中枢施設襲撃事件に至るまでの流れが含まれている。
連警が提出した報告書は800ページを超えるもので、モラエス判事が分析した後、検察庁で審査された後は、パウロ・ゴネ検察庁長官が起訴するか否かを決めることになる。検察庁が起訴し、最高裁がそれを受理すれば、ボルソナロ氏らは被告となる。検察庁は、既に最終報告書を受け取っている新型コロナの予防接種記録改ざんや諸外国からの贈り物売却との関係なども含めた分析を行う意向で、起訴状提出は2025年になる見込みだ。
UOL22日付報道によれば、ボルソナロ氏は「大統領府の建物には3千人もの人がおり、その一人一人が何を話しているか知るわけがない。少なくとも人を殺害する計画について私と話し合うことは決して起こらなかった」「私はクーデター計画には決して乗らない。 彼らが私に話すときはいつも、議会の承認が必要な憲法に定められた厳戒令(estado de sítio)を利用することだった」と反論している。(4)
一方、マウロ・シジ容疑者は、ルーラ氏暗殺計画が司法取引で言及されていなかったことなどで、21日に最高裁でモラエス判事からの事情聴取を受けたが、ブラガ・ネット氏らに関する情報を提供した上、計画を練ったとされる集会には最初の30分しか同席せず、計画作成には関与していなかったことなどを証明したため、モラエス判事は司法取引を無効とせず、これまでの立場を維持することを決めている。(5)