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米大統領がアマゾン初訪問=5千万ドル拠出発表も不透明

2024年11月19日

環境保護を支持する声明に署名したバイデン米大統領(バイデン大統領公式インスタグラム@potus)
環境保護を支持する声明に署名したバイデン米大統領(バイデン大統領公式インスタグラム@potus)

 ジョー・バイデン米大統領は17日、アマゾナス州マナウスを訪問し、アマゾン地域の視察を行った。また、アマゾン基金に対して5千万ドルの追加拠出を発表し、気候変動対策の重要性を強調したと、同日付G1サイトなど(1)(2)が報じた。
 この訪問は、18〜19日にリオ市で開催されるG20サミットに出席するための一環であり、現職の米大統領がブラジルのアマゾン地域を訪問するのは今回が初めてだ。
 バイデン大統領を乗せた米大統領専用機は、ブラジリア時間の午後1時半にマナウスのエドゥアルド・ゴメス国際空港に着陸。娘のアシュリー氏と孫娘のナタリー氏、さらに、ホワイトハウス報道官であるカリーヌ・ジャンピエール氏も同行した。
 到着後、大統領一行はヘリコプターに乗り換え、アマゾン地域を飛行。ネグロ川とソリモンエス川の合流点やアドルフォ・ドゥッケ森林保護区、アマゾン博物館(Musa)を上空から視察した。この飛行には、米空軍のヘリコプター6機も同行し、護衛にあたった。
 バイデン氏はその後、Musaを訪問し、国立アマゾン地方調査院(Inpa)のカミラ・リバス研究員、および炭素クレジットを扱うブラジルのスタートアップ企業「Mombak」のピテル・フェルナンデスCEOと共に館内を見学。
 バイデン氏は館内の熱帯雨林も散策し、神聖で巨大な樹木「スマウーマ」(高さ最大50m、寿命は約120年)付近で先住民族の酋長らと面会。同大統領はその場で、アマゾン基金に対する5千万ドルの追加拠出を発表した上で、2030年までに2万平方マイルの土地を復元・保護するために100億ドル規模の連携体制を創設する計画も明らかにした。また、25年に米国大統領に就任するトランプ氏には、「強い遺産」を残すと強調した。
 バイデン氏はMusaで行った演説で、「気候変動との闘いは、私の大統領職の根幹であり、経済と環境の間で選択を迫られることはない。両方を実現することができる」と述べた。
 アマゾン基金への5千万ドルの追加拠出は、アマゾンの森林保護と二酸化炭素排出削減を支援することを目的としており、これまでにも23年初頭、ルーラ第3次政権発足時に初めて発表された金額と同額だ。だが、この額は同年4月にバイデン氏が約束した5億ドルには遠く及ばない上、トランプ氏が大統領に就任すれば、その資金が拠出実際にされる可能性は低いと見られている。資金の解放には米国議会の承認も必要となり、来年から共和党が多数を占めることが予想される米国議会において、この資金が承認されるかは不透明だという。
 バイデン氏は記者会見で、米国内の持続可能なエネルギー開発を「否定したり遅らせたりしようとする人物がいるのは事実だ」と述べた。トランプ氏は環境保護政策に反対し、無制限の化石燃料生産を擁護しており、バイデン大統領が制定したクリーンエネルギーへの投資と気候変動との闘いを撤回することも宣言している。
 トランプ次期大統領は、米環境保護局(EPA)長官にリー・ゼルディン元下院議員を起用すると発表しており、同分野での規制緩和や企業活動を促進するとともに、経済活性化を重視する方針を示している。


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