PCCがボウロス投票指示?=投票日のサンパウロ州知事発言問題に

サンパウロ市市長選の決選投票日の27日朝行われた記者会見で、タルシジオ・デ・フレイタス・サンパウロ州知事(共和者・RP)が証拠も示さず、犯罪集団である州都第一コマンド(PCC)がギリェルメ・ボウロス・サンパウロ市市長候補(社会主義自由党・PSOL)への投票を求めたとする発言を行ったことを受け、連邦警察(PF)が調査を行う可能性があると、同日付レコルジTV(R7)など(1)(2)(3)(4)(5)(6)が報じた。
リカルド・ヌーネス氏(民主運動・MDB)の再選キャンペーン最大の支援者であるタルシジオ氏は、決選投票日の朝という文脈の中で、PCCがボウロス氏に投票するように求めた通信を州軍警が傍受したと述べた。他方、R7はPCCが発行したとされる「サルヴェ(指示、salve)」のメッセージに関する写真にアクセスしたが、ボウロス氏の名前は出ていないという。写真は真偽のほどが確認されておらず、公表は見送られている。
サンパウロ州保安局は、スマレ、サントス、サンパウロ市の市長選に関し、特定候補に投票するよう指示する犯罪組織のメッセージを軍警の諜報班が傍受したことは認めたが、現在はまだ捜査中との声明を出した。
また、タルシジオ氏は会見の中で、誰に投票するよう指示されていたのかと訊かれ、「ボウロス」と答えており、諜報班が見つけた指示に関する報告書は選挙裁判所にも送られていると語ったが、国家治安局は犯罪組織が特定の候補者に投票するよう指示したとの情報は得ていないとしており、センパウロ州選挙地域裁判所(TRE―SP)も報告書や情報は受け取っていないと発表。PFや法務省(MJSP)、州検察庁(MPF―SP)もPCCが関与したという事実は把握していないとし、同氏の発言を否定している。
他方、ボウロス氏はタルシジオ氏の発言を知り、タルシジオ知事の発言は証拠を欠いたもので、州政府の諜報機関がPCCのサルヴェを傍受したとする主張は根拠がないと主張。タルシジオ氏とヌーネス氏は「政治的権力の濫用」と「不適切なメディアの使用」を行ったとし、選挙結果に対する重大な影響を及ぼそうとする試みだと指摘すると共に、選挙当日の知事発言は今までに見られないほど重大な影響を及ぼす試みで選挙犯罪に相当すると強調。ヌーネスサンパウロ市長の再選無効性などを含めた捜査を求める申し立ても行った。
ボウロス氏はさらに、タルシジオ氏の発言がヌーネス氏の支持者によって「犯罪的に利用されている」とも指摘した。ヌーネス氏の選挙事務所は、現時点ではこの件についてのコメントを控えると表明している。
カルメン・ルシア選挙高裁長官は同日夜の総括の際、ボウロス氏が提出した告発に迅速に対応する意向を示す一方、今回の事件は選挙の信頼性に影響を与えないと強調した。同長官は、同件は33万人の有権者がいる中での単独のケースとし、決選投票自体はスムーズに進行していると強調。選挙管理機関の機能を評価し、偽情報に対する対応策の整備や選挙時のクリーンな環境を維持するための取り組みも説明した。(7)