site.title

ルーラ 「デリケートで複雑な状況」 ベネズエラ野党勝利宣言で 選挙の透明性を訴えるのみ

2024年8月7日

ゴンサレス氏(facebook)
ゴンサレス氏(facebook)

 ベネズエラの大統領選でニコラス・マドゥーロ大統領の対抗馬だったエジムンド・ゴンサレス氏は5日、自身の当選を宣言。就任のための準備を進めるとした上で、軍隊に対し、「国民の味方になって欲しい」との声明を出した。同国最高裁はゴンザレス氏に対し、同氏が勝利の根拠としている投票の詳細の提出を求めている。こうした状況にルーラ大統領は戸惑う様子を見せている。5日付フォーリャ紙(1)などが報じている。

 ルーラ大統領は5日、チリで同国のボリッチ大統領と会談を行った後の会見で、「忍耐強さと国民主権の尊重こそが結果の透明性を守る」とし、これまで通り、選挙の透明性を求める見解を繰り返すだけに終わった。
 6日付G1サイトでヴァウド・クルス氏は自身のコラムで、ルーラ氏は親友らに対しベネズエラ問題のせいで「デリケートで複雑な状況に置かれている」と愚痴っていたとし、「遅かれ早かれ、ベネズエラの民主主義を軽視した疑いで罰される不正選挙という事態に、ルーラは対峙することになる。そんなベネズエラの政治危機や経済悪影響の中でも、ブラジルは外交関係を維持する必要がある」との課題を分析した。(2)
 3日付G1サイトによると、AP通信は2日、野党側が示している投票結果を記した議事録(全体の79%分)を分析した結果、ゴンサレス氏が1026万票の内の689万票、マドゥーロが313万票を得ていたと発表。マドゥーロ氏が獲得したとされる640万票以上を獲得していたとして、CNEが発表した内容との矛盾を示している。(3)
 ゴンサレス氏は5日、本来の野党側の大統領候補だったコリーナ・マチャド氏の署名入りで声明を出した。その声明には、「議論の余地もなく、我々は勝利した。覆しようもないほど明らかな結果と共に、我々は友好的かつ平和的な社会を作って行きたい」と書かれていた。
 同国の中央選挙委員会(CNE)は7月29日の未明、マドゥーロ氏が得票率51・95%で勝利したとしていたが、この声明は無視したこととなる。ゴンサレス氏たちは、野党側は8割近くの票の資料をすでに入手しており、それを分析した結果、ゴンサレス氏が67%相当の票を得て勝利したと主張している。
 この声明の中では軍についても触れられており、「本来の役目を行っていただきたいが、国民が支持する側について欲しい」と言及した。
 この発言は政府側から軍事クーデターを想起させるものと判断され、同国検察に犯罪行為を行った疑いがあるとしてゴンサレス氏とマチャド氏の捜査を始める口実を与えた。(4)
 大統領選後は、野党側支持者によるデモを政府側が暴力的に取り締まる動きと並行し、政府側のデモも発生。これまでに1千人を超える逮捕者が出た上、死者や行方不明者も多数出ており、ゴンサレス氏やマチャド氏は身を隠した状態だ。
 ベネズエラの最高裁はゴンサレス氏を召喚し、当選を主張する根拠となる票の結果を提示するよう求めている。その日時はブラジリア時間の7日午前10時とされている。同国最高裁はマドゥーロ氏の息のかかった判事が多く、政権寄りとして知られている。


サーフィンで銀と銅=バレー女子準決勝へ前の記事 サーフィンで銀と銅=バレー女子準決勝へ携帯電話=使用禁止の学校は28%=4年前より増加傾向次の記事携帯電話=使用禁止の学校は28%=4年前より増加傾向
Loading...