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RS州大水害=失われた車は20万台超=被害総額はまだ計算不能

2024年5月29日

ポルトアレグレ市の住宅地で出た廃棄物の一部(Julio Ferreira/Prefeitura Municipal de Porto Alegre / Divulgação)
ポルトアレグレ市の住宅地で出た廃棄物の一部(Julio Ferreira/Prefeitura Municipal de Porto Alegre / Divulgação)

 【既報関連】リオ・グランデ・ド・スル(RS)州では、4月末からの豪雨による洪水がまだ収まらない地区や新たな洪水で悩んでいる地区がある一方、水がひき始めて清掃などが始まり、被害の実態が少しずつ判明。大量のゴミ廃棄による問題も噴出し始めている。
 27日付CNNブラジルなど(1)(2)によると、今回の大水害で州民らが廃棄した瓦礫やゴミは4700万トンに達し、3700万トンとされるガザ地区の瓦礫の量を既に上回っている。
 この数字は、リオ・グランデ・ド・スル連邦大学水理研究所の研究者やボランティアの協力を得たMox Debris社が提供したものだ。分析によると、部分的または完全に浸水した建物は約40万棟だという。

水に覆われ、機能が停止しているサルガド・フィーリョ空港(Maurício Tonetto/Secom RS)
水に覆われ、機能が停止しているサルガド・フィーリョ空港(Maurício Tonetto/Secom RS)

 国連の持続可能な開発ソリューションネットワークのデータ解析者、ギリェルメ・イアブロノフスキー氏は、「廃棄物の分布を理解することは廃棄物の行き先を計画する上で非常に重要」「州内の埋め立て地だけでは足りない」とし、同種の調査は問題の大きさを測るのに役立つと言う。研究によると、廃棄物発生のピークは、洪水によって発生するものと、浸水期間中に発生する構造的な損傷の二つあるという。
 同氏によると、40万棟の建物の内、深刻な損傷を受けたのは4万4600棟で、17万200棟は長期にわたる洪水や水没後の土壌の変化が建物の基礎に影響を与えることによる深刻な構造的な損傷に直面しており、数カ月以内に廃棄物発生量の第2のピークが来るという。
 洪水後のゴミや廃棄物は瓦礫や泥、水に浸かって使えなくなった家具や電気製品が大半だが、今回は広範囲で急速な増水が起きたため、空港やショッピングセンターの駐車場が車の墓場と化すなど、車両の損失も前例を見ない規模になっている。
 28日付オ・グローボサイトなど(3)(4)(5)によると、水害による損失車両は20万台を超え、被害額は80億レと試算されている。24日付オリャール・デジタルなど(6)(7)は、5~10%の車両が使用不能となり、販売店などでの新車の被害も1千台を超える可能性があるとした上で、一部は修理可能だが、大半は競売にかけられるだろうと予想。同州の自動車販売業者連合や全国自動車販売業者連盟は州交通局に対し、事故車であることを書類に明記するよう求める意向だ。被害に遭った販売店は約300戸で、42%に上るという。
 23日付nscトータル・サイト(8)によると、洪水被害車両に関する賠償責任が誰にあるかなどの分析は個別に行われるが、車や家屋、家財道具などの資財の損失や人的被害が出た場合を含めた賠償問題は保険業界の頭痛の種となっている(24日付アジェンシア・ブラジルなど(9)(10)参照)。
 なお、28日付RS州政府の公式サイト(11)によれば、同日朝現在の数字は、死者169人、被災市469、被災者234万5400人、親戚宅等にいる人は58万1638人で動きがないが、行方不明者は53人、避難所収容者は4万8789人に減少している。


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