RS州大水害=水位低下で最悪期過ぎたか=死者151人、避難者計60万人=清掃など市民は生活再建へ

【既報関連】4月末からの豪雨で大水害に見舞われたリオ・グランデ・ド・スル(RS)州では、強雨の可能性が薄れ、増水が続くパトス湖周辺以外は水も引き始めた。避難所の収容者などはまだ多いが、水が引き始めた所では清掃に取り組む市民の姿も増えるなど、生活再建への動きも見え始めた。
同州史上最悪の自然災害は州全域に爪痕を残し、水が引き始めて初めて、被害の甚大さが見え始めた地域や停電や断水が続く地区もあるなど、被害の全容をつかむのが難しい状態が続いている。また、16日は厳しい寒波が残り、雨も降り始めたが、雨脚は強くなく、グアイバ湖の水位は引き続き低下するなど、少しずつだが、ピークは越えたと感じられるようになり始めた。
大水害のピークを越えたことは、397まで増えた非常事態宣言市が15日には46に減ったことでも窺えるが、多くの市はまだ緊急事態と言うべき状態で、土砂崩れなどの危険も残っている。
16日付フォーリャ紙サイト(1)によると、16日9時現在の死者は151人、負傷者は806人、行方不明者は104人で、避難所の収容者は7万7199人、親戚宅などにいる人は53万8164人、被災市は458(92%)、被災者は228万2774人となっている。
また、救助された人は7万6620人に増え、動物も1万匹(頭)以上救出されたが、今もなお、孤立している人や地域がある。雨脚が弱いにも関わらず、水位上昇が続くパトス湖周辺は、洪水や浸水被害も拡大中だ。
停電は23万6888カ所、断水は12万9977カ所で続いている。州電力公社(CEEE)は11万2488カ所での停電で顧客の6・3%、RGEスル社は12万4400カ所での停電で顧客の4%が影響を受けているという。
休校中の州立校は2338で、37・8万人の生徒が影響を受けている。浸水被害などを受けた州立校は1057で、554校では施設損壊も起きた。避難所となっている州立校も88ある。
16日付G1サイト(2)によると、16日朝6時過ぎのグアイバ湖の水位は4・99メートルに下がり、排水用ポンプも少しずつ機能し始めたため、ポルト・アレグレ市役所は最も深刻な被害が出た21区から清掃を計画中だ。また、15日付UOLサイトなど(3)(4)によると、緊急車両や支援物資を積んだ車などを通すために同市中央部と国道を繋いた人道回廊は、拡張工事で対面通行が可能となり、通行量や物資輸送量が増え始めた。
他方、16日付G1サイト(5)によると、パトス湖は48時間で30センチ増水し、16日朝は2・75メートルに到達。1941年の2・88メートルには及ばないが、ペロタスやサンロウレンソ・ド・スルなどでは洪水が拡大。同州南部での洪水はウルグアイまで及んでいる。また、15日付ガウッシャZHサイト(6)によると、航空写真で判明したモスタルダ市周辺の水域の赤茶色への変色は、砂や泥、粘土、有機物などの浮遊堆積物を大量に含んだ水が流入した証拠で、水質悪化や動植物の死が懸念されている。
なお、14日付G1サイトなど(7)(8)(9)によると、5月末までとされていたポルト・アレグレ市サルガド・フィーリョ空港の閉鎖期間は8月末まで(9月再開)となる見込みで、航空便の振り替えやキャンセルは無料で行われると報じられている。
[gallery ids="420479,420480"]