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リオ・グランデ・ド・スル州豪雨=41人死亡、74人行方不明=州全体の約半分235市被災

2024年5月4日

水に覆われたタクアリ渓谷(3日付G1サイトの記事の一部)
水に覆われたタクアリ渓谷(3日付G1サイトの記事の一部)

 【既報関連】リオ・グランデ・ド・スル州での水害は、救助・捜索活動の進展もあって死者や行方不明者の増加が止まらない上、崩壊の危険のあるダム増加などで、住民の退避も急がれている。また、2日からはサンタカタリーナ州でも強い雨が降り、死者も出ている。
 3日付G1サイト(1)によると、3日昼過ぎの時点での死者は41人(防災局把握分37人、消防や警察その他が確認分4人)に増加。行方不明者、負傷者も各74人に増えている。不明者の中には屋根の上で救助を待っていたが、空軍ヘリが救出作業にかかった時に家屋が倒壊。濁流にのまれた夫妻など、救助・捜索活動中に確認された例もある。また、避難所や親戚・友人宅に避難している人は3万1547人に増えた。

2日に部分崩壊した水力発電所の7月14日ダム(3日付G1サイトの記事の一部)
2日に部分崩壊した水力発電所の7月14日ダム(3日付G1サイトの記事の一部)

 1日付アジェンシア・ブラジルなど(2)(3)によると、エドゥアルド・レイテ知事は1、2日に、今回の水害は史上最悪の自然災害で、救助隊がアクセスできない所でも地滑りや洪水は起きており、死者や不明者は増える可能性大だと語っている。2日夜は154だった被災市も3日朝は235に増えている。
 昨年も54人が死亡する大水害が起きたタクアリ渓谷では4月28日から2日朝までだけで500ミリを超える雨が降り、タクアリ川の水位が33メートル上昇。3日には水位が少し下がり始めたというが、川の増水、氾濫は州内各地で起きている。
 また、2日付アジェンシア・ブラジル(4)によると、2日に部分崩壊した7月14日ダムのように、崩壊の危機または危険に直面している防災用貯水ダムや多目的ダムは2日現在で19ある。3日付G1サイト(5)によると、2~3日には7月14日ダム崩壊に伴うカイ川の増水を受け、流域7市に警報と住民への避難命令が出た。
 3日付G1サイトなど(6)(7)によると、雨やそれに伴う川の増水やダム崩壊は、州都ポルト・アレグレでもグアイバ湖の増水と水門の一つの崩壊、同市中心部などの洪水を招き、懸念が拡大。グアイバ湖の水位は1941年に記録した5メートルを超える見込みで、史上最悪記録を書き換えそうだ。
 2日付G1サイトなど(8)(9)によると、連邦政府は2日の現地視察やレイテ知事が出した州全域での非常事態宣言認定の後、同州住民に対する救援活動の監視と調整のための状況監察室を設置。2日付アジェンシア・ブラジル(10)にあるように、同州でのボルサ・ファミリア(生活扶助)支給は17日に一斉に行うことも含めた救援措置も発表され始めた。
 他方、3日付G1サイトなど(11)(12)によると、5日に実施予定だった公務員の一斉採用試験は、同州の状況などを考慮し、延期することが決まった。
 3日付G1サイト(13)によると、今回の大水害は、ブラジル中央部にある強い高気圧のへりを流れ下ったアマゾン地域からの湿った大気と寒冷前線通過が重なったことなどで増幅された。リオ・グランデ・ド・スル州では少なくとも4日まで、1時間で60ミリを超える雨や時速100キロ超の風に見舞われる地域も出る見込みだ。
 3日付G1サイト(14)によると、寒冷前線に伴う豪雨や強風はサンタカタリーナ州でも観測されており、所により、2日間で200ミリ超の雨を記録。州西部カピンザルでは2日、増水に気付いたスクールバス運転手が12~15歳の子供12人を窓から逃がし、無事に家に帰らせた。だが、2日にイター市で行方不明となった61歳男性は3日、車の中で溺死体となって発見された。同州での警報は南部や西部中心に出ている。


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