サンパウロ市=バス企業2社に捜査=大型資金洗浄、PCC関与か?
サンパウロ州検察局は9日、サンパウロ市のバス企業2社に対して捜査を行い、幹部ら6人を逮捕した。この2社は同州最大の犯罪集団の州都第一コマンド(PCC)との関係を疑われている。同日付UOLサイト(1)が報じている。
この日の捜査では逮捕令状4件と家宅捜査令状52件が出された。主な対象となったのはサンパウロ
市東部のバス企業UPBusと同市南部のトランスウォルフだが、家宅捜査の対象は、バルエリ、コチア、グアルジャー、グアルーリョス、イタペセリカ・ダ・セラ、イタクァケセツゥーバ、イトゥ、マウアー、サンタナ・デ・パライーバ、サンベルナルド・ド・カンポ、サンジョゼ・ドス・カンポスにまで及んでいる。
この捜査では、裁判所が6億レアル超の資産を差し押さえた他、複数のマシンガンや現金、宝石などが押収された場所もあった。
また、トランスウォルフ社長のルイス・カルロス・エフィジェーニオ・パシェコ容疑者(通称パンドラ)や同社理事のロブソン・フラレス・ロペス・ポンテス容疑者ら6人が逮捕された。UPBusのシルヴィオ・ルイス・フェレイラ容疑者はまだ逮捕されていない。
令状実行中に個人及び法人に対する21件の捜査を行った国税庁によると、この2社ではいくつかの税制を使って資金洗浄を行っていた痕跡があり、両社合わせて1億4800万レアル以上の申告資産があった。また、当座預金では2020~22年だけで7億3200万レアルを動かしており、約2億レアル相当の違反通知が作成される見込みだ。これらの資金や金の動きにはPCCの関与が疑われている。
なお、捜査が行われた9日午前中も、両社は通常通りに運行している。両社合わせた1日の乗客数は約70万人とされている。