site.title

保健相「コロナ禍克服していない」=メモリアル建設セミナー開催

2024年3月13日

11日のセミナーで語るニジア保健相(Fabio Rodrigues-Pozzebom/ Agência Brasil)
11日のセミナーで語るニジア保健相(Fabio Rodrigues-Pozzebom/ Agência Brasil)

 世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルス感染症(Covid)の流行をパンデミックと宣言してから丸4年となる11日、保健省が71万人の犠牲者を記念し、後の日に伝えるための施設(メモリアル)創設のためのセミナーを開いたと同日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
 ニジア・トリンダーデ保健相は新型コロナ感染症記念施設の構想と創設に関するセミナーの開会式で、「私達が提案している記念施設や記憶を止めるための方針はパンデミックを過去に限定するものではない。記憶に関する全ての考察同様、私達は現在の要素や政策を承知しているが、それと同時に、健康上の緊急事態を克服したにも関わらず、公衆衛生上の問題としてのCovidを克服していないことを思い出す」と語った。
 同相は、2021年6月に起きたような事態を繰り返さないため、WHOが現在も、健康上の緊急事態やパンデミックに対応するための手段の創設について議論していることを喚起した。
 当時は既に予防接種ワクチンが開発・登録されていたが、ワクチンを購入できた国は僅か10%のみだった。同相は、「これはブラジルで起きたような否定主義によるものではなく、ワクチンやその他の資材の生産や配布に偏りがあったため」と説明。ブラジルでは当時、集中治療室の占有率が高まり、医療施設のロックダウンなども起きていた。
 また、強力で回復力のある医療システムだけが、将来のパンデミックに直面できるとし、統一医療保健システム(SUS)の強化もパンデミックで学んだことの一部だと語った。
 同相は記念施設についても、「記憶と歴史には重要な関係がある」と強調し、「過去に限定されることなく、健康や伯国、民主主義、世界のためにどのようなプロジェクトを望むかについても考えるべき」と語った。
 Covidによる犠牲者や親族のための全国ネットワークのロザンジェラ・ドルネレス代表は、パンデミックは国民に深い苦しみの痕跡を残したと強調。「ブラジルではCovidと闘うための措置を調整する国の責任の欠如、公共サービスの解体、Covidと闘うことの拒否により、事態がさらに悪化した」とし、パンデミックによる支援の滞りや社会的不平等、気候危機などの課題も列挙して、家族の不安を訴えた。
 全国保健局長審議会のサイト(2)によれば、ブラジルでのCovidの死者は2日現在で71万427人、感染者は3859万2310人。今年に入ってからの死者は1789人で、高齢者が多いが、10日付フォーリャ紙(3)によると、14歳以下の子供も4日に3人の割で亡くなっている。だが、11日付アジェンシア・ブラジル(4)によると、3~4歳児で2度の接種済みは23%、3度では7%、5~11歳で3度受けたのは12・8%など、対策徹底は困難な状態が続いている。
 11日付CNNブラジル(5)は4年間で学んだこととして、ワクチン接種を期日通り維持することの重要性、マスクその他の安全対策の効果、感染テストは正しいタイミングで行うべきこと、後遺症は長期にわたり得ることの四つを列記している。
 なお、2月16日付上院サイト(6)にあるように、新型コロナウイルス感染症の犠牲者約71万人を追悼する記念碑は、22年2月15日に上院によっても設置されている。
 「メモリアル」の意味は広く記念碑から施設まで幅広く解釈できる。11日付アジェンシア・ブラジル(1)によると、今回のメモリアルはリオ市の保健省文化センターに創られるようだが、どの程度の規模でどのようなものになり、いつまでに建設されるのかは発表されていない。


ルーラ大統領=ペトロブラスに経営介入=同社株価3月11%暴落前の記事 ルーラ大統領=ペトロブラスに経営介入=同社株価3月11%暴落連邦警察=元前大統領側近を再聴取=司法取引後初で8時間も=クーデター疑惑を中心に次の記事連邦警察=元前大統領側近を再聴取=司法取引後初で8時間も=クーデター疑惑を中心に
Loading...