記念演奏会は180人の盛況に=ブラジル筝曲宮城会創立40周年

ブラジル筝曲宮城会(長瀬令子会長)の創立40周年記念公演となる『第31回筝曲演奏会』が11月26日、サンパウロ市のブラジル日本文化福祉協会ビル貴賓室で開催された。今井恵美さんが広報に協力したこともあり、例年よりかなり多い約180人が来場して盛況の会となった。
長瀬会長は曲の幕間に、「コロナ禍で練習不足かもしれませんが、無事に演奏会が開催でき喜んでおります」と挨拶した。2011年に創立30周年記念・東日本大震災復興支援公演『第23回筝曲演奏会』をサンパウロ美術館(MASP)大講堂で開催したことを振り返り、「入場料全額を日本に寄付させてもらった。日本との文化・交流に尽くさせてもらっている」と感慨深そうに振り返った。
当日の司会は今年も南瀬ミキさんが務め、「さくら」「八段」「コンドルは飛んでいく」「編曲長唄越後獅子」「千本桜」など11曲が次々に披露され、琴のほか三弦や尺八、チェロ、太鼓も参加して、息の合った競演をみせた。
途中、尺八の招待演奏をしたシェン響盟さん、山岡秋雄さんに感謝の花束が贈られた。
最終曲の「豊年太鼓」では尺八7人、琴7人、三味線3人などの大所帯で迫力の演奏を繰り広げ、最後には長瀬会長に花束が贈られ、会場総立ちで拍手が送られた。

コロナ禍の前まで約40年間、ずっと琴や三弦三味線などの演奏をしてきた矢崎幹子さん(92歳、長野県出身)は「今はもう演奏できないけど、演奏会には必ず来ます。日本の伝統の良さ、大事さを、2世、3世、ブラジル人にこうやって伝えてくれるのはありがたい。素晴らしい演奏会でした」と感謝した。
イザベル・クリスチーナさん(43)に来場した感想を聞くと、「日本の楽器の音色が面白いと思う。特に尺八や箏など、西洋楽器との違いが興味深い」としみじみ語った。
琴の演奏に興味のある人は長瀬会長(電話11・3289・3303)まで問い合わせを。