サンパウロ市地下鉄=2号線延長工事を開始=ラ米一の巨大掘削機で

サンパウロ州のタルシジオ・デ・フレイタス知事が21日、サンパウロ市地下鉄2号線(緑)の延長工事に使用する掘削機(シールドマシン、通称タツゾン)「コラ・コラリーナ」の稼働開始を視察すると共に、サンパウロ市東部のペーニャ駅からグアルーリョス市のヅットラ駅に至る第2フェーズの工事執行の開始を承認したと発表したと同日付G1サイトなど(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)が報じた。

ラ米最大の掘削機は中国製で、直径11・66メートルの切断機を装着し、全長98メートル、500トンの機械はトンネルの掘削とコンクリートのリングで裏打ちするために使われる。本体には、食事や休憩を取る場所、トイレ、天井崩落などが発生した時のための避難用空間も備えられている。
タツゾンの組み立ては、ヴィラ・フォルモーザとサンタ・イザベルの間のラパドゥラ複合基地で約4カ月をかけて行われた。最初の作業区間はヴィラ・フォルモーザ~ヴィラ・プルデンテ間の約4キロで、ヴィラ・プルデンテまで来たら解体。ペーニャ・デ・フランサまで運んで組み立て直した後、ペーニャ~ラパドゥラ間を掘り進める。
ヴィラ・プルデンテ~ペーニャ間(約8・4キロ)の工事は1日15メートル程度の速度で進む予定。1・5メートル毎に機械を止め、将来列車が通るトンネルの内側に約1時間をかけてコンクリートのセグメントを配置する。また、水や圧縮空気などの補充やメンテナンスのために数時間を割り当てる必要もある。
タツゾンの作動中は前方にあるものを見ることはできず、操作には経験や技術を要する。ブラジルには訓練を受けた技術者がいないため、操縦は南米などで経験を積んだ外国人技術者が担当する。
第1フェーズのオルファナト、サンタクララ、アナリア・フランコ、ヴィラ・フォルモーザの各駅は2026年、サンタイザベル、ギリェルメ・ジオルジ、アリカンドゥーヴァ、ペーニャの各駅は2027年に開業の予定。これにより、延長分を含む2号線の全長は23キロとなる。延長工事で恩恵を受ける人は120万人に及ぶという。
第2フェーズの工事は2013年に入札が行われた後、工事契約が差し止められていた。同段階の工事にはペーニャ以北のチクアチラ、フェルナン・ジアス、ポンテ・グランデ、ヅットラといった駅とパウロ・フレイレ操車場が含まれるが、グアルーリョス市内への延伸は都電(CPTM)19号線を同市まで導入してからとなる。これは、2号線に過度な負担をかけずにグアルーリョスの需要に適応するためだ。19号線の完成は2030年の予定だ。