サンパウロ州=さらに9丁の機関銃回収=兵士20人の関与捜査中

【既報関連】10日に発覚したサンパウロ大都市圏バルエリの陸軍基地での機関銃盗難事件では、リオ市での8丁回収に続き、サンパウロ州サンロッケでも9丁が回収されたが、まだ4丁の行方が分からず、捜索が続いている。他方、盗難・紛失に直接・間接に関与したとされる兵士の数は20人に絞られ、基地に留め置かれている兵士の数は40人に減った。
サンロッケで機関銃が発見・回収されたのは20日だ。21日付G1サイトなど(1)(2)(3)(4)(5)(6)によると、市警の追跡調査で、犯罪組織が重火器を移動させようとしている可能性が判明。現場に急行した市警は泥の中に埋めた重火器を掘り出して車に乗せようとしていた犯罪者2人から銃撃されたが、弾は警察車両に当たっただけで、負傷者は出ていない。男達は林の中に逃げ込み、姿を消した。
現場はサンロッケ市のエミル・スカフ道に近い林の中で、航空機の襲撃も可能なポント50型機関銃5丁、戦闘用で防弾車も貫ける7・62口径の機関銃4丁が回収された。サンパウロ州保安局長のギリェルメ・デリテ氏は、盗まれた銃はリオ州最大の犯罪組織のコマンド・ヴェルメーリョ(CV)やサンパウロ州最大の犯罪組織の州都第一コマンド(PCC)の手に渡るはずだったとし、回収は警官だけでなく、市民にとっても大きな安心材料との見解を表明した。
ただし、陸軍兵器庫から盗まれた機関銃21丁の内、7・62は8丁共回収されたが、ポント50は13丁中9丁が回収されたのみで、4丁はまだ捜索中だ。
陸軍は紛失が確認された10日以降、バルエリの基地関係者480人を軟禁状態にして内部捜査を開始。17日には320人に帰宅許可が出たが、160人は21日まで軟禁状態が継続。現在は40人に減った。
また、19日付G1サイトなど(7)(8)では、19日には盗難に直接関与した兵士3人が判明と報じられたが、名前は未公開。19日付G1サイトなど(9)(10)によると、同日は間接的関与で兵器庫管理責任者だったリヴェリノ・バラタ・デ・ソウザ・バチスタ中佐が解任され、翌日はマリオ・ヴィクトル・ヴァルガス・ジュニオル中佐が後任に任命された。
なお、22日付G1サイトなど(11)(12)によると、軍は直接・間接に関与した兵士少なくとも20人の捜査を継続中だ。内7人は直接関与が疑われており、帰宅も職場復帰も認められていないが、間接関与の13人は職場復帰が認められたという。
ただ、バチスタ中佐は現役兵士としての資格を有したままだし、20人の容疑者への懲罰も行われていない。市警は重火器捜索に際して、軍からの情報提供はなかったことを認めている。