「まるでヌード?」と話題に=裸体プリントでSNS規制回避

裸体がプリントされた服を着るセレブたち(2日付ポレミカ・パライバ・サイトの記事の一部)
裸体がプリントされた服を着るセレブたち(2日付ポレミカ・パライバ・サイトの記事の一部)

 今セレブたちの間で「裸体」を模倣したファッションが流行っており、物議を醸している。一見して裸に見える衣服は見る者に衝撃を与えるが、実は視覚的な錯覚を利用した「騙し絵プリント」だ。SNS上で女性が規制を回避する手段としても機能しており、有名人やアーティストたちがこのトレンドに積極的に参加して注目を集めている。2日付G1サイトなど(1)(2)が報じている。
 元々セレブたちはパーティーや授賞式、ファッションショーなどのイベント会場で、透ける素材を使用した裸同然に見える大胆なドレス「ネイキッド・ドレス(裸のドレス)」を着用し、こぞって美ボディを披露していた。
 しかし、SNSプラットフォームであるInstagramやFacebookは女性の乳首の露出を厳格に規制しているために、せっかく上げた投稿がブロックされる事態が相次いだ。
 この問題を回避するため、騙し絵プリントドレスが広まったとされる。コートジボワール出身のアーティスト、レティシア・カイさんは全裸のように見えるドレスを着用し、その写真をInstagramに投稿したがブロックされず、検閲回避に成功した一例だ。他にもブラジル人大人気歌手のアニッタなど多くの有名人も流行りに乗って、ファッションと自己表現を結びつけている。
 このファッショントレンドの背後には「トロンプ・ルイユ(目を騙す)」という実際に対象物が存在するかのような錯覚を起こさせる絵画技法がある。これは1930年代にイタリア人デザイナーのエルザ・スキャパレッリ氏と共にファッション界に導入された。
 現実と虚偽との境界を曖昧にするという遊び心から、このテクニックがデザインに採用され、ファッション業界での実験と革新の一部として位置づけられている。
 その後は人気高級ファッションブランドや、SHEINなどの国際的に成功を収める小売業者がこの技法を取り入れて再注目を浴び、新たなバリエーションが生まれるなど、進化を続けている。
 パンクファッションのアイコンであるビビアン・ウエストウッド氏が1977年、胸を模したブラウスで女性の身体に対する社会的価値観をあざ笑ったように、社会的な規範に挑戦するためにこのファッションを使用することは、現代の「トロンプ・ルイユ」の一形態として機能していると報道されている。

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