エクアドル=アマゾン地域の油田開発=国民投票で採掘停止を決定

エクアドルでは20日、大統領選の一次投票と共にアマゾン地域の油田開発に関する国民投票も行っており、同地域の原油採掘を停止することを決めたと21日付フォーリャ紙サイトなど(1)(2)(3)(4)が報じた。
原油の採掘停止が決まった43ブロックと呼ばれる油田は、ペルーと国境を接し、世界で最も豊かな環境地域の一つとされるヤスニ国立公園内にある。
国民投票での質問は「エクアドル政府がITT(イシピンゴ、タンボコチャ、チプチミ)の石油を無期限に地下に置いておくことに同意しますか」というもので、採掘に対して「ノー」と答える方が論理的との声もあったが、開票率93%の段階で59%が「はい」と答えて採掘停止に賛同した。
この結果、同国政府は同地域にある石油生産に関連する全ての活動を1年以内に段階的かつ秩序立てて撤回する必要が生じた。この期間は選挙の公式結果が発表される10月4日から数え始める。同国政府はこの地域での新たな探査契約を結ぶこともできなくなる。
この地域は1989年にユネスコによって「生物圏保護区」に指定されたが、国営のペトロエクアドルは2016年以降、当時のラファエル・コレア大統領の承認を得て、ヤスニ公園内での石油採掘を行っていた。
採掘停止への賛同者達は環境や地域内の先住民族への影響を重視していたが、反対者達は国の歳入減とそれによって生じる危機を懸念していたという。ブラジルの非政府団体はブラジル政府にもアマゾン川河口の油田探査でこれに倣うよう求めている。