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国家配給公社=家族農家から粉ミルク購入=競争力上昇させ食の安全確保

2023年8月18日

家族農家が飼育している牛(©Marcelo Camargo/Agencia Brasil)
家族農家が飼育している牛(©Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

 国家配給公社(Conab)が16日、家族農家が抱える粉ミルクの在庫買い取りを発表したと同日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)(3)(4)が報じた。
 これは南米南部共同市場(メルコスル)などからの輸入増で競争力が削がれている家族農家支援と食の安全確保のためで、Conabと州、市が行う貧困・飢餓対策の食料獲得計画(PAA)の一部。直接購入には1億レアルが投じられる。
 エデガル・プレット同公社総裁は、「公共購入は当該部門を助ける。この規模で在庫を持つ組織や協同組合、家族農家の協会から直接購入すれば販売量が増し、生産者価格も上がる。これは家族農家と市場の双方にとり非常に前向きなシグナルだ」とし、家族農家支援に向けた意向をアピールした。
 直接購入の粉ミルクは、社会開発省(飢餓対策・家庭社会支援・開発省)を通してボルサ・ファミリア(生活扶助)受給家庭の食の安全や栄養管理用に使われ、家族農家を含む国内生産者支援と飢餓撲滅の双方に役立つ。
 国内生産者支援のための措置には、牛乳及び乳製品に対する輸入関税引き上げも含まれる。貿易協議所(Camex)通商管理協議所(Gecex)は、ソフトチーズ、ソフトブルーチーズ、バターオイルの3品目の税率を12・8%から18%に引き上げることを承認。2022年の決議353号で定めた10%の共通対外関税の対象からもバターやヨーグルトなどの乳製品29品目を削除した。これらの品の関税は10・8~14・4%となる。
 他方、農務省は輸入粉ミルクに加水処理した違法な牛乳の取り締まり強化を約束。国境越えの密輸品も含めた監査活動も国内生産者保護につながる。ブラジル牛乳生産者協会によると、牛乳や乳製品の輸入増は昨年8月以降、顕著になった。
 サンパウロ総合大学先端的応用経済研究センターによると、6月の乳製品輸入は昨年6月より148%、粉ミルクの輸入は234・11%増加。上半期の輸入量(牛乳換算)は10・9億リットル超で、昨年同期の約3倍だった。輸入量増は、国内の生乳供給量減で国内の乳製品価格が上昇したせいでもある。輸入製品価格は値下がり傾向にあり、国内の生乳の生産者価格も叩かれている。5月の生乳価格2・7229レアル/リットルは前月比で6・2%、昨年同月比で2・2%低下。他方、ロングライフ牛乳の消費者価格は1~7月に7・13%上昇し、生産者価格低下に逆行している。


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