フォーカス=GDPの成長予測は1%に=インフレ予想も若干だが上昇

中銀の経済動向予想調査「フォーカス」最新版によると、市場関係者が23年の国内総生産(GDP)の成長予測を0・96%から1%に引き上げた。また、インフレ上昇率も6・04%から6・05%に、若干だが上方修正されたと2日付アジェンシア・ブラジル(1)(2)(3)などが報じた。
フォーカスは銀行や金融機関100社以上を対象に行った聞き取り調査の結果をまとめたもので、GDP成長予測が引き上げられたのは朗報だが、このところ沈静化したかに見えているインフレに関しては厳しい見方をしていることがうかがわれる。
GDP成長予測は、2023年が1%、20224年が1・41%、2025年と26年は1・8%となっている。
地理統計院(IBGE)は3月に、2022年のGDPは2・9%成長したと発表。一方、財務省は4月17日に、今年のGD成長率は1・61%との予想を発表している。
他方、広範囲物価指数(IPCA)の予想値は、今年が6・04%から6・05%、24年が4・18%、25年と26年は5%となっている。
今年のIPCAの予想値が引き上げられたのは5週連続で、現在は下降傾向にある12カ月間の累積IPCAが、年の後半に向けて上昇すると見られていることを示している。今年のインフレの政府目標(中央値)は3・75%、上限は4・75%だから、6・05%という値は、完全に上限を超えている。24年の目標は3%だから、現在はまだ、上限の4・5%は超えていないが、今後の対策次第では上限突破もあり得る。
インフレが上限を超えた場合、中銀はその理由を明らかにし、対策を明示する必要があるが、一作年、昨年、今年と引き続いての上限突破という状況での経済基本金利(Selic)高止まりは、連邦政府からも批判が相次ぎ、インフレ抑制の切り札としての金利引き上げ効果を疑う声や融資などが受け難く、経済成長を妨げるといった声も出ている。
所得向上を伴わないインフレ高進は消費者の購買力低下を招き、購買意欲も低下するため、工業生産などの不振を招く。
だが、現時点ではインフレが早急に収まる可能性は余りなく、金利の高止まりは今しばらく続きそうだ。今年の年末時点のSelicの予想値は12・5%、来年末は10%と見られている。25年末と26年末は、9%と8・88%と予想されている。