年間の労災事故1・3万件=2500人に及ぶ死者発生

労務省や国際労働機関、様々な連邦政府機関に主要的情報提供役割を果たす労働安全衛生観測所が3月29日、2022年に届け出があった労災事故は61・29万件で、死者も2500人に達したと発表したと3月30日付アジェンシア・ブラジル(1)(2)などが報じた。
労災事故が最も多く発生したのは病院でのケア活動中で、5・9万件を超える事故が報告されている。最も負傷した専門家は看護技師で、3・6万件の報告が出ている。
サンパウロ総合大学(USP)の一部門であるボトゥカトゥ医学部のイルデベルト・ムニス教授によると、この数字は国立社会保障院(INSS)に報告されたものだけを反映しているという。INSSは正規の労働者に対する労災保険の支払いに関するデータを掌握している。
逆を言うと、正規の労働市場におらず、労働人口の約3分の2にあたる非正規の労働者に関するデータは含まれておらず、先の数字は実態を正確にとらえているとはいえない。
このため、労働安全衛生観測所では統一医療保健システム(SUS)で対応した労働災害の数も集計。昨年の場合、勤務時間中または通勤中に発生した労災事故へのSUSでの対応数は39・2万件におよんだという。
2022年は労災事故の被害者へ社会保障給付が14・8万件以上行われ、障害年金も6500件以上、交付された。
昨年の場合、労災事故最多はサンパウロ市で、5・1万件を超える事故の通知が登録された。以下、リオ市1・8万件、ベロ・オリゾンテ市1・1万件と続いている。
労災事故に関する情報は、SmartLabと呼ばれるプラットフォームなどで確認することができる。